現在放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』の主人公のモデルとなっている“ブギの女王”
笠置シヅ子(1914-1985)。朝ドラ放送開始以来、笠置シヅ子の代表曲「
東京ブギウギ」やデビュー曲「ラッパと娘」などの楽曲や、作曲家・
服部良一に大きな注目が集まっています。戦前からジャズをはじめとした舶来音楽を取り入れ日本独自の歌謡曲へ発展させてきた服部良一と、たぐいまれなパフォーマンスでその世界観を鮮やかに表現した笠置シヅ子。
過去に笠置シヅ子の「大島ブギー」というレコードが出ましたが、その後商品化されてないという情報が、今年の夏頃にコロムビアに寄せられ、コロムビアの社内史料を調査したところ1950年12月10日に発売されていたことが判明しました。「大島ブギー」は作詩・藤浦洸、作曲・服部良一の作品で、伊豆大島が舞台となっているご当地ブギの1曲で、「夢の大島 日本のハワイ」と歌われています。他にも「大阪ブギウギ」「名古屋ブギウギ」「博多ブギウギ」「北海ブギウギ」など笠置が歌う、ご当地ブギは数多く存在しており、「東京ブギウギ」「
買物ブギー」「ジャングル・ブギー」「ヘイヘイブギー」など笠置がコロムビアから発売した“ブギ”が付く作品は全17曲が存在します。
コロムビアには「大島ブギー」のSP盤が残されておらず、アルバムの音源監修をお願いした音楽史研究家でSP盤に造詣の深い郡修彦のネットワークを通じて、今回新たにSP盤愛好家の方々のうち、「大島ブギー」のレコード盤をお持ちの方が見つかりお借りすることが出来ました。そのSP盤の音源を使用してマスタリングし発売以来、「大島ブギー」を再度、73年ぶりに初配信することになりました。
「大島ブギー」を収録した配信アルバム『笠置シヅ子完全盤』は11月22日(水)より配信がスタートします。
また、「東京ブギウギ」「胸の振子」「蘇州夜曲」などの服部良一の名曲の数々を、
雪村いづみと
キャラメル・ママ(
松任谷正隆、
鈴木茂、
細野晴臣、
林立夫)が甦らせた1974年発売のアルバム『
スーパー・ジェネレイション』も11月22日(水)から配信がスタートします。
[コメント]幻の「大島ブギー」が見つかり、今回初めて配信することができました。過去にコロムビアで作成した作品リストから記載が漏れてしまったために気付くことが無く商品化のチャンスを逃してしまいましたが、今回無事にアルバムに収録することができました。時代を超越した笠置ワールドを是非お楽しみください。――日本コロムビア株式会社 笠置シヅ子担当ディレクター 衛藤邦夫