日本のヒップホップ界で歴史的名盤と言われる
SEEDAのアルバム『
花と雨』を原案とし、新進俳優の
笠松 将が主演を務める映画「花と雨」が、2020年1月17日(金)より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開されます。
ヒップホップを心のよりどころとし、何者かになりたいと願う青年・吉田の葛藤と成長を活写した本作。幼少期を英ロンドンで過ごしたため日本の空気になじめない吉田は次第にアーティスト活動に没頭していき、裏切りや最愛の姉との別れを経験しながらも現実に立ち向かっていきます。オーディションを勝ち抜いた笠松が主人公・吉田を演じ、
大西礼芳、岡本智礼、
花沢将人、
紗羅マリー、
松尾貴史、
高岡蒼佑らが共演に名を連ねています。監督は
Perfumeや
水曜日のカンパネラなどのMVを手がけた土屋貴史。また、音楽プロデュースをSEEDA、演技指導をラッパーの
仙人掌が担当しています。
本作について笠松は、「親切な映画ではないかもしれません。物語を追うことより、目の前の出来事一つ一つを楽しんでもらえたら嬉しいです。観た人によって見解が大きく異なる映画かなと思います。観終わった後の皆さんと早く話しがしたいです」コメント。また監督の土屋は「この映画では、本当の自分の気持ちがわからなかったり、自分を変えようと願ったことがある人間が、世界の抑圧から自由になる瞬間を描いています。一人の若者が自分が何者かを探し、不器用ながら本当の自分を見つける手掛かりを得て、初めて自分や自分の周りの世界を把握します。同時に、成長することは常に何かを犠牲にすることでしかなし得ないということにも気づくのです」とメッセージを寄せています。
僕はこの作品と共に、一番に這い上がりたい。
部室でSEEDAさんを先輩たちと聴いていた日々が懐かしいです。
親切な映画ではないかもしれません。物語を追うことより、目の前の出来事一つ一つを楽しんでもらえたら嬉しいです。
観た人によって見解が大きく異なる映画かなと思います。観終わった後の皆さんと早く話しがしたいです。――笠松 将初めての長編映画に関わらず、可能性を見出してくれたSEEDA氏と完成公開まで推し進めてくれた関係スタッフに感謝したいと思います。自分が監督するからには、偉大なアルバムであることはわかった上で、それを殊更に強調したり、それに寄りかかった映画に仕上げるのとは違うアプローチを考えました。なぜなら、そこには極私的な内容、描写の中に、若者の抱えている苛立ちや葛藤、普遍的なテーマが描かれていることに気づいたからです。解釈を強制するのではなく、観客自身がこの映画や主人公に対して能動的に自分を重ね合わせていけるような感覚を大切にしました。また、当時それぞれが「花と雨」のアルバムを聴いた時のことを思い出して、時代の空気感と共に能動的に体験できるような作品になっているかと思っています。
この映画では、本当の自分の気持ちがわからなかったり、自分を変えようと願ったことがある人間が、世界の抑圧から自由になる瞬間を描いています。一人の若者が自分が何者かを探し、不器用ながら本当の自分を見つける手掛かりを得て、初めて自分や自分の周りの世界を把握します。同時に、成長することは常に何かを犠牲にすることでしかなし得ないということにも気づくのです。――土屋貴史(監督)©Timgallo
©2019「花と雨」製作委員会