加藤登紀子 2003/04/02掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
原曲を超えてしまうよな、素晴らしいカヴァーに巡り合うことが多々あります。そもそも曲と言うものは、いろいろな人に歌われて名曲になっていくものですね。
加藤登紀子の前作
『花筐〜hanagatami〜』(写真)はミスチルや宮沢和史などのヒット・チューンを加藤独特の情感で歌い上げた好盤。特に、福山雅治の大歌謡「桜坂」は、“こんなにいい曲だったのか”と再確認するきっかけになった名唱でした。今回、5月28日に発売される新作
『沖縄情歌』(UICZ-4065\2,500(税込))は、沖縄をテーマにしながら、前作同様に選曲のフットワークの軽さで、他に類を見ない秀逸な沖縄歌曲集になっています。まずタイムリーなところで、多くの大人を切なくさせた、夏川りみの「涙そうそう」を取り上げているのが嬉しい。伸びやかで、スケール感のあるメロディは、この人にピッタリでしょう。他にスタンダードの「花」〜「イラヨイ月夜浜」、「アッチャーメ小」まで、新旧・ジャンル問わず、良い曲ばかりだ。歌謡曲唄いとして、通常の“和”的な情感とは趣を異にした加藤登紀子と言うオリエンタルな個性だからこそ、違和感を通り越した新鮮さで、この企画を綴れたのではなかろうか? ゲストに新良幸人、古誤美佐子(元ネーネーズ)、ジャケット・デザインはジミー大西(!)。