ジャズ・ギタリストの
ケニー・バレル(Kenny Burrell)が、
アート・ブレイキーや
ティナ・ブルックスらとともに、1959年8月25日、米・ニューヨークのファイヴ・スポット・カフェで行なったライヴを収録するアルバム『
アット・ザ・ファイヴ・スポット・カフェ』。この名盤に、未発表音源6曲を追加収録する『アット・ザ・ファイヴ・スポット・カフェ:コンプリート・マスターズ』が4月11日(金)に発売されます。ブルーノートが近年展開しているアナログ再発シリーズ「Tone Poet」の最新作。また、未発表音源のひとつ「ザ・テイク・オフ」が先行シングルとして配信されています。
当時ブルーノートからの諸作で高い評価を得ていたバレルがこのライヴのために編成したバンドは、アート・ブレイキー(ds)、ティナ・ブルックス(ts)、
ボビー・ティモンズ(p)、
ローランド・ハナ(p)、
ベン・タッカー(b)という当時最高峰の布陣。終始リラックスしたムードのなか繰り広げられるパフォーマンスはソウルフルで白熱し、バレルのリーダーとしての初ライヴ・レコーディングである本作は、バレルの代表作のひとつとして、またハード・バップ屈指の名盤として知られています。
リマスタリングは、Tone Poetシリーズを手掛けてきた名手ケヴィン・グレイが担当。オリジナルのマスター・テープからカッティング / リマスタリングを行なっており、ナチュラルで温かみのあるサウンドで、アナログ・テープをそのまま聴いているかのような体験をすることができます。ブックレットには、フランシス・ウルフによる未公開の写真、シド・シュワルツによる洞察に満ちたエッセイ、そして現在93歳のバレルがブルーノート社長
ドン・ウォズと当時を振り返るインタビューなど充実のコンテンツが収録されています。
本作について、バレルは「ファイヴ・スポットは本物のジャズ・クラブだった。あそこで演奏するのは楽しかった。観客はジャズに詳しいとわかっていたからね。彼らはジャズ・ミュージシャンを知っていて、あそこで演奏するミュージシャンはある程度のレベルを期待されていたんだ。ミュージシャンとしてそこにいられて幸せだったよ」と語っています。
また、Tone Poetシリーズのプロデューサーであるジョー・ハーレイは「これは私が50年以上前に大学で聴いて以降、お気に入りのライヴ・ジャズ・アルバムの一枚です。とても深くてリラックスした雰囲気があり、メンバーは明らかにお互いの演奏をよく知っていることが伝わってきます。ずっとその場にいられたらよかったのにと思っていました。この作品をカッティングしてマスターを聴いた時、私の願いが叶ったように感じました。さらに良かったのは、今まで聴いたことのない素晴らしいトラックがたくさんあったことです! 1959年8月25日に戻って、ニューヨークのファイヴ・スポット・カフェで素晴らしいジャズの夜を楽しみましょう!」とコメントしています。
日本盤は、2枚組UHQCDとSHM仕様シングルレイヤーSACDの2形態で発売されます。