2019年8月に
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任する
キリル・ペトレンコ(Kirill Petrenko)とベルリン・フィルの最初の共演CD『チャイコフスキー: 交響曲第6番「悲愴」』(KKC-6029 3,241円 + 税)が5月11日(土)にリリースされます。
ペトレンコは1972年、露シベリアのオムスク生まれ。18歳の時に家族(父親はヴァイオリン奏者)とともにオーストリアへ移住し、ウィーンで指揮者としての教育を受けました。ウィーン・フォルクスオーパー、マイニンゲン劇場、ベルリン・コーミッシェ・オーパーで活躍した後、2013年よりバイエルン国立歌劇場の音楽総監督に在任しています。ベルリン・フィルには2006年に初登場し、その後わずか3回の共演により首席指揮者に選ばれました。
本作は、2015年夏にペトレンコがベルリン・フィルの次期首席指揮者に選出された後、最初に客演した際(2017年3月)に演奏した
チャイコフスキーの「悲愴」を収録したもの。ゲネプロと3回の演奏会をもとにした、ライヴ録音となっています。
ペトレンコはこれまでほとんどCDをリリースしておらず、入手可能なのは特定の希少曲に限られていました。これは、ペトレンコが自分の演奏にきわめて厳しく、録音の発売を了承してこなかったからだと言われています。
密度の高いリハーサルや、解釈を厳密に徹底させることでも知られるペトレンコの最大の魅力は、自身を追い詰める厳格さが、本番では感情の奔流へと変化する点。ペトレンコはそれを「リハーサル中に抑えてきた感情の箍を、演奏会の瞬間において外し、解放する」と表現しています。本作に収められた「悲愴」も、ペトレンコの表現性の高さがベルリン・フィルの力強い音楽性やオケ自身の表現意欲とぶつかり合い、激しくドラマチックな演奏となっています。