2016年2月〜3月にかけて、チェコ・モラヴィア地方の民族色豊かな作風で知られるヤナーチェクの傑作オペラ『イェヌーファ』全3幕（チェコ語上演 / 字幕付）が東京・渋谷 新国立劇場で初上演されます。公演日は2016年2月28日（日）、3月2日（水）、3月5日（土）、3月8日（火）、3月11日（金）です。また、今回の上演に先駆けて、2月2日（火）に映画『白いたてがみのライオン〜大作曲家ヤナーチェクの激しい生涯〜』上映会が、2月13日（土）には〈オペラトーク『イェヌーファ』〉が開催されます。

　『イェヌーファ』は、チェコの閉鎖的な寒村を舞台に、未婚で身ごもったイェヌーファ、彼女を守ろうとするあまり赤子を殺してしまう継母コステルニチカを巡る悲劇と愛の物語。ヤナーチェクの音楽は個性的でありながら美しいメロディに満ちており、なかでも第2幕のコステルニチカ、イェヌーファそれぞれのアリア、終幕幕切れのイェヌーファとラツァの二重唱が、ドラマのハイライトであるとともに大きな聴きどころとなっています。

　今回上演されるプロダクションは、ベルリン・ドイツ・オペラで2012年に初演されたもの。指揮はチェコ出身で国際的に活躍する気鋭のトマーシュ・ハヌス（Tomáš Hanus）で、演出はドイツの権威あるオペラ専門誌Opernwelt誌で年間最優秀演出家に3回選ばれたドイツの鬼才、クリストフ・ロイ（Christof Loy）です。キャストもシュテヴァ役を除き、ベルリン公演時の歌手が迎えられます。イェヌーファ役は2010年『アラベッラ』タイトルロール以来待望の再登場となるミヒャエラ・カウネ（Michaela Kaune）、コステルニチカ役は深く豊かな声と卓越した表現力を誇るアメリカの名歌手ジェニファー・ラーモア（Jennifer Larmore）です。