“火の玉ストレート”と称される剛速球で日米で活躍し、今季2020年シーズン限りで現役を引退するプロ野球・阪神タイガースの
藤川球児投手の現役引退セレモニーに、藤川がマウンドへ向かう登場曲として阪神タイガースファンにも親しまれた「every little thing every precious thing」を歌う
LINDBERGのヴォーカル、
渡瀬マキがサプライズで登場。花束贈呈とともに感謝のメッセージを届けました。
11月10日に兵庫・阪神甲子園球場で行なわれた読売ジャイアンツとの試合にて、9回表に藤川投手が登場。「ピッチャー藤川球児」のアナウンスが告げられると、甲子園球場にLINDBERGの「every little thing every precious thing」が流れ、藤川投手がスタンドからの歓声とともにマウンドへ。今季通算2000本安打を達成した
坂本勇人選手や、北京五輪やWBCの日本代表にも選出された
中島宏之選手から空振り三振を奪うなど、最速149キロを計測した12球すべてを魂を込めた“火の玉ストレート”で三者凡退に打ち取り、現役最後のピッチングを見事なパフォーマンスで終えました。
鳴り止まない歓声と「ありがとう!球児!」という別れを惜しむファンからの声援が球場を包むなかで行なわれた試合後の引退セレモニーでは、藤川投手が再びマウンドへ登場。現役生活における自身の苦難や体の故障を乗り越えたことや、諦めずに結果を残すことができたこれまでの野球人生への感謝の気持ちをファンをはじめ、関係者や家族に向けてスピーチしたところで、登場曲「every little thing every precious thing」を歌う渡瀬がサプライズで現れ、花束を贈呈。「私たちの楽曲を登場曲に使って頂き、いつも藤川投手の近くにこの曲がいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。藤川投手のように、私たちもバンドとして元気や勇気を与えていけたらと思います」と藤川投手への感謝を述べています。
試合後の会見にて、藤川投手はLINDBERGの楽曲について「野球選手として、うまくいっていないというときに、妻が〈これどう?〉という風にいってくれたところからスタートしたんですけど、自分が活躍していくうちにその歌がファンの方たちにどんどん浸透して、いつのまにか甲子園球場全体を包むような、そういう歌になった。ファンのみなさんと一緒に、渡瀬さんの力を借りて、そして自分の家族の支えと共に全国のタイガースファンと野球ファンの方々に、夢とか希望とかを感じてもらおうと思ってやってきやってきたんですけど、いつの間にか最後はファンの方であったり、世の中の方々から力をもらいながらマウンドに立って」と楽曲やファンへの感謝を語り、「いろいろなことを達成したり、一つにするっていうのは時間がかかる。一つずつ前向きにやっていけば10年かかるのか、20年かかるのかわからないけど、必ずいい方向に進む。それをスポーツでタイガースファン、全国のファンに少しだけ、こういう生き方があるんだなと、その日暮らしじゃないんだなというところを、分かっていただけた。世の中の人も頑張れるんじゃないかなと、自分のなかでは今日頑張りました」と現役生活を振り返りながら感慨深くコメントしています。
数々の記録を打ち立てた藤川投手を後押しした「
every little thing every precious thing」は、1996年に発売されたLINDBERGの25枚目のシングル。藤川投手が登場するたびにこの曲が流れ、阪神ファンがメガフォンを左右に振りながら大合唱するまでの人気を受けると、2007年には藤川投手のピッチング姿の写真をジャケットに採用したシングル「
阪神タイガース 藤川球児 テーマソング〜every little thing every precious thing」として再発されています。同曲はLINDBERGの『
SUPER BEST』や『
LINDBERG BEST FLIGHT RECORDER3』などに収録されています。