〈カンヌ国際映画祭〉の“ある視点部門”のオープニング作品として上映され、会場を驚きの渦に巻き込んだ
ロウ・イエ監督によるメロドラマ・ミステリー、映画『二重生活』が来年1月下旬より、新宿K's cinema、渋谷アップリンクほかにて全国順次公開。
――優しい夫と可愛い娘。夫婦で共同経営する会社も好調で、なにも不自由のない満ち足りた生活をおくる女、ルージエ。愛人として息子と慎ましく生活しながらも、いつかは本妻に、と願う女、サンチー。流されるまま二人の女性とそれぞれの家庭を作り、二つの家庭で生活する男、ヨンチャオ。いびつながらも平穏に見えたそれぞれの日常は、ほんの少しの出来事でいとも簡単に崩壊し、その事件は起きた――。
“愛と孤独に揺れる心”を描き続けてきたロウ・イエが、中国の大手コミニュティ・サイトに投稿された夫の浮気に苦しむ女性の話をヒントに作り上げた本作は、〈第65回カンヌ国際映画祭〉の“ある視点部門”にてオープニング作品として上映、その複雑で予測できない人間模様と、時に笑いを誘うほどの大胆な展開で会場を驚きの渦に巻き込み、熱狂的に支持されました。
ロウ・イエは2006年、中国ではタブーとなる天安門事件を描いた
『天安門、恋人たち』を発表し、本国で5年間の映画製作禁止令を受けるも、禁止処分の最中も作品を発表し話題に。禁令が解けた2011年、再び中国本土に戻り撮影されたのが本作『二重生活』。現代の中国社会のダブル・スタンダードなどの問題をも浮き彫りにしつつ、激しい感情のぶつかり合いを独特の漂うようなカメラワークで描いています。