『
そして、バトンは渡された』で2019年本屋大賞を受賞した
瀬尾まいこの原作小説を、『
ケイコ 目を澄ませて』が第72回ベルリン国際映画祭ほか20以上の映画祭に出品され、第77回毎日映画コンクールで日本映画大賞・監督賞他5部門を受賞するなど国内外で絶賛を浴びた
三宅唱監督が映画化。NHK連続テレビ小説『
カムカムエヴリバディ』で夫婦役を演じた
松村北斗(
SixTONES)と
上白石萌音が映画初共演&ダブル主演を務め、今回は同僚役で最高の理解者となる特別な関係性を演じる『夜明けのすべて』が、2024年2月9日(金)より全国でロードショー。この度、予告編と場面写真が公開されています。
公開された本予告は、PMS(月経前症候群)の症状で不機嫌そうな表情を浮かべる藤沢(上白石萌音)を外に連れ出す山添(松村北斗)の、少し風変りな2人の関係性を切り取ったシーンから始まります。PMSで周囲にイライラをぶつけてしまう藤沢に「しばらく一人で怒っててもらっていいですか?」と声をかける同僚の山添もまたパニック障害を抱えていました。心が思い通りにならず電車など逃げ場のない場所に行けなくなってしまった山添のために、藤沢はいきなり家に押しかけて自転車をプレゼントすることを思いつきます。そうやって少しずつ互いの事情と孤独を知った2人は、生きづらさを抱える者同士、遠慮のない素の自分で関わり合うことで、少しずつ希望を見出していきます───。自転車で駆けていく山添、ベランダで風を感じる藤沢を優しく包み込むのは、16mmフィルムならではの美しく柔らかな光。『ケイコ 目を澄ませて』で国内外の観客を魅了した、三宅唱監督と撮影の月永雄太による圧倒的な映像美は本作でも健在です。
そして、『
きみの鳥はうたえる』でも三宅監督作品の劇伴を担当した
Hi’Specの音楽が、少しずつ変化する日常に優しく寄り添います。さらに、藤沢のナレーションとともに映し出されるのは、“夜明け前がいちばん暗い。”という文章から始まる「夜についてのメモ」と、原作にはない映画オリジナルの設定として登場するプラネタリウム。「“夜明け”を単に希望の比喩とせずに、その人その人によってさまざまな意味を持ちうる“夜”を描きたいと考えていた」と語る三宅監督が導き出したこのシーンは、やがて迎える2人の新しい“夜明け”をそっと想像したくなるような、味わい深いシーンとなっています。
合わせて、山添と藤沢が勤める栗田科学の社長・栗田和夫(
光石研)や、藤沢の母・倫子(
りょう)とのささやかな日常を切り取った写真や、山添の前職の上司・辻本(
渋川清彦)や山添の恋人(
芋生悠)らと関わり合いながら、少しずつ移ろいゆく2人の世界を捉えた場面写真も公開。生きづらさを抱えた2人にそっと寄り添う彼らの姿や優しい表情に、思わず心があたたかくなります。
さらに、11月23日(木・祝)よりムビチケカードの発売が決定。全国の上映劇場(※一部除く)にて購入することができます。夜明け前のいちばん暗い中で出会った山添と藤沢。2人の世界がどのように動き、移り変わっていくのか、ぜひ劇場で見届けてください。
©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会