ポスト・クラシカル界の最注目人物のひとりである
マックス・リヒター(Max Richter)が、“眠るために”制作した1曲8時間の楽曲「スリープ」。この録音史上最長の楽曲から編まれた1時間ヴァージョン『
フロム・スリープ』の国内盤(UCCH-1041 2,800円 + 税)が4月12日(水)より販売されています。
現代クラシック、ポスト・クラシカルの世界で活躍しながら、バレエ音楽の制作や映画・ドラマなど様々な作品に楽曲を書き下ろし、活発に活動するリヒター。近年では
リドリー・スコットの息子である
ルーク・スコット監督初長編作品「Morgan」や、
ジョニー・デップと
ヴァネッサ・パラディの娘
リリー=ローズ・メロディ・デップが出演して話題の映画『ザ・ダンサー』の音楽を担当したほか、
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品でアカデミー賞を受賞し日本でも5月に公開される映画「メッセージ」にも楽曲を提供し、注目を浴びています。
2015年の作品「スリープ」は、昨年日本でも著書「あなたの知らない脳──意識は傍観者である」が出版された神経科学者のデヴィッド・イーグルマンの助言を受けて制作。1960年代のニューヨークのオルタナティヴ・シーンで行なわれていたリラックスするためのオールナイトのコンサートをヒントに、リスナーを眠りへと誘い、実際に眠っている間も聴き続けるための8時間の楽曲となっています。一方、その1時間ヴァージョンである『フロム・スリープ』は、覚醒中に楽しめるように編まれています。
2016年には、400台以上のベッドが用意されたベルリンのテクノクラブ“Tresor”で深夜0時から翌朝8時までの8時間、寝ている来場者を前にリヒターと仲間たちが演奏し続けたライヴも敢行。ユニバーサル ミュージックの
ウェブサイトでは、現地で同ライヴに参加したジャーナリスト・中村真人によるイベント・レポートも公開されています。
©Camille Blake