エレクトロ・ポップ・ヴィジュアル系バンド、
メトロノームが、10月16日に約3年ぶりとなるツアー〈阿吽回廊〉のファイナル公演を東京・赤羽ReNY alphaにて開催しました。
今回のツアーは、2022年8月24日に発売された最新アルバム『
阿吽回廊』を掲げたレコ発ワンマン。9月11日の東京・池袋 Club Mixaを皮切りに、愛知・名古屋、大阪とまわり、この度最終公演を迎えました。
[ライヴ・レポート] 満員の会場に「阿吽廻廊」が流れメンバーが登場し、シャラクによるおなじみの「メトロノームだっ!」の声と共にライブはスタート。「あっという間にツアーが終わります。今日はツアーファイナルですが気持ちがリセットされて新たなる門出のような気持ちです。新たなメトロノームを楽しんでください!」と語ると、前半は、今作のリード曲「阿ッとして吽」、ボーカル泣かせの冒頭の歌詞が面白い「失敗だ傑作だ」、RPGの世界観から一変し激しくカッコイイギターソロも印象的な「カルマ」、美しいメロディにポップなアレンジが映える「シナスタジア」など最新アルバム収録曲中心の構成。ファンは思い思いに体を揺らし、新曲とは思えないほど会場の一体感が増していく。
中盤以降は新旧織り交ぜた楽曲たちが並び“これでこそメトのライブ”な展開にボルテージは高まる一方。そしてライブの定番曲「コンピュータ」「MATSURI」と続き、ラストは「強くてNEW GAME」。声を出せないもどかしさがありながらもそれを感じさせず踊り狂う客席は圧巻の景色だった。
温かい手拍子に迎えられ登場したアンコールでは、ファンへの感謝の言葉とともに「大変なこともありましたが、無事に元気よくツアーを終えられてよかった」(シャラク)、「あっという間すぎて追加公演やりたくなっちゃう」(リウ)、「素晴らしいファイナル、素晴らしいツアーが出来たのは『阿吽回廊』という素晴らしいアルバムが出来たから。このツアーが終わってもずっと聴き続けてください」(フクスケ)とコメント。
ツアーの終演をなごり惜しむかのようにダブル・アンコール、トリプル・アンコールと登場し、回を重ねるごとにテンションがアップするステージと客席とで最高潮の盛り上がりを作り上げ〈阿吽回廊〉ツアーは幕を閉じた。
最新アルバム『阿吽回廊』は、ツアーをまわることをイメージして作られた作品だと言う。その言葉通り「みんなで大きな声で叫ぶと盛り上がるな」というフレーズが随所にちりばめられている。コロナ禍において未だ制限もあり全てが理想通りとはいかないが、3年振りのワンマン・ツアーはメトロノームを待ちわびたファンにとってもメンバーにとっても充実のライブとなり、新しい光が差し込む一歩となった。
ステージ・客席ともに今出来る完全燃焼。「今日でツアーは終わりますが、来年にはみんなで一緒に『わーっ』って出来たらいいなと思います」とシャラクが語るように、今は欠けているファンの“声”が加わった時、『阿吽回廊』の楽曲たちがどのような進化を遂げるのか。今から楽しみでならない。 Photo by Hidemi Otsuka