“ジャズの帝王”
マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の“エレクトリック・マイルス”期の金字塔にして、音楽史に残る大傑作『
ビッチェズ・ブリュー』の4チャンネル・ミックスによるクアドラフォニック盤(SICJ-10008〜9 5,500円 + 税)が日本限定で世界初復刻され、8月8日(水)にリリースされます。
1970年にリリースされた『ビッチェズ・ブリュー』は、ロックやファンクの要素を取り入れファン層を拡大。マイルス初のゴールド・ディスク獲得作であり、〈グラミー賞〉にも輝いた記念碑的作品にして今なお高い人気を誇る20世紀の名盤です。
70年代初頭、4チャンネル・オーディオ・システムが売り出され、多くのアーティストが2チャンネル・ステレオフォニックとは別に、4チャンネル・クアドラフォニック・ヴァージョンを制作。クラシックからロックまで幅広いジャンルでクアドラフォニック作品が発売されました。なかでも、SQ方式(ステレオ・クアドラフォニックの略)で録音されたものは、一般のレコード・プレイヤーでも再生可能なことから“別ミックス”として世界的なコレクターズ・アイテムとして人気を博しています。しかし、70年代中盤になるとオーディオ・システム自体が下火となり世の中から消滅。オーディオ・システムが姿を消したことによって、クアドラフォニックは未知の音となってしまいます。
今回、『ビッチェズ・ブリュー』のクアドラフォニック盤が47年ぶりにSA-CDマルチ(フロント・リアの4チャンネル)ハイブリッド盤となって復活。パッケージは7インチ紙ジャケット仕様で、日本盤クアドラフォニックLP(銀ジャケ)アートワークと帯を復刻。
カルロス・サンタナの特別寄稿(1998年復刻)や発売当時の野口久光によるオリジナル解説とともに、音楽ライターの原 雅明によるクアドラフォニック・ミックスについての新規解説を収録。特典としてアートワークのステッカーが封入されます。
ウェイン・ショーター、
チック・コリア、
デイヴ・ホランド、
ジャック・ディジョネットとのクインテットを中心に、
ジョー・ザヴィヌル、
ベニー・モウピン、
ジョン・マクラフリンらの精鋭たちと緊張感にみちた最高にクールな音世界を作り上げたマイルス。クアドラフォニック盤は、4本のスピーカーからプレイヤーたちのみずみずしいエネルギーがあふれ出し、まるでメンバーが演奏している空間で聴いているかのような臨場感を360度で体感できるミックスとなっています。