宮田大 2012/01/26掲載(Last Update:12/01/31 16:05)
小澤征爾がここ数年、期待をこめて大切に見守っているチェリストがいます。
宮田大、25歳。かの世界的指揮者と若き演奏家の交流を描いたテレビ・ドキュメント作品『小澤征爾から宮田大へ〜音楽の いのち繋げる 現場から〜(仮題)』が3月10日(土)19時よりBS朝日にて放映されます。
昨年1月、みずからの手で宮田大の本格デビューをと考えた小澤征爾は、
水戸室内管弦楽団の定期公演のソリストとして彼を起用しました。曲は
ハイドンのチェロ協奏曲。しかし直前になって小澤の体調が思わしくなく、公演は急遽キャンセル。病床のマエストロから即、電話がありました。「来年は必ずやるから、待っていてください」。
小澤が病いと闘っているここ数年は、宮田にとって大きな飛躍の時期でした。2009年、日本人で初めてロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクールに優勝して以来、舞台は世界に広がり、
初のCDも完成。
小澤の本格復帰がままならぬ一方で、宮田は名実ともに世界から注目される若手チェリストへと急成長していきました。
テレビマンユニオンは、2006年、宮田の桐朋学園在学中から折に触れてその演奏を収録していましたが、2008年以降はジュピターカルテットの一員としての海外での活動も含めて本格的な撮影を続けて今に至っています。
学生時代の仲間たちとカルテットを組み、互いに学びあいつつ世界を目指した日々……。そんな中で、コンクールの覇者となり、進むべき道を真剣に模索しながら、やがてソリストとして一本立ちしていく青春の軌跡。
その年月の積み重ねの先にはいつも、小澤との約束のステージが大きな到達点として、北極星のように道を照らしていました。
4年にわたる若きチェリストの喜び、悩みを辿りながら、イタリア、ドイツでの精進の日々を重ね合わせ、今年1月に行なわれた小澤との共演の舞台に向かって集約していく2時間のドキュメンタリー。小澤の恩師である
斎藤秀雄が遺したチェロは、今、宮田大の手によって新しい世代へと音楽のいのちを繋いでゆきます。
『小澤征爾から宮田大へ〜音楽の いのち繋げる 現場から〜(仮題)』
放送日:2012年3月10日(土) 19時〜20時54分
放映局:BS朝日
制作:テレビマンユニオン