ヤン・エスティー・ヴァーナーとアンディ・トーマからなる電子音楽デュオで、現在は独ベルリンを拠点に活動するマウス・オン・マーズ（Mouse On Mars）のニュー・アルバム『AAI』が2月26日（金）に世界同時発売されます。1993年の結成以来、実験的かつポップな電子音楽で人気を得てきた彼らは、今作でAI（人工知能）を大胆に導入。アルバム・タイトルは「Anarchic Artificial Intelligence（＝アナーキーな人工知能）」の略です。収録曲から「The Latent Space」「Artificial Authentic」の2曲が公開中。

　新作では、彼らのライヴではおなじみの、前作には未参加だったドド・ンシキがドラムとパーカッションで復帰。作家・学者・ボストン大学アフリカン・アメリカン学部長のルイス・チュデ＝ソキの言葉や声を大々的にフィーチャーし、新進気鋭のコンピュータ・プログラマーとともに制作されました。

　ヤンとアンディは、Birds on Mars、ラニー・ケド、デレク・ティングルと共同で、スピーチをモデリングできる特注のソフトウェアを開発して、そこにルイス・チュデ＝ソキやBirds on Marsの一員であるヤムア・ウツコンカヤのテキストや声を入力。シンセサイザーでコントロールし、演奏できるようにしました。ナレーションとして聞こえるものも実際はAIによるものかもしれません。ユニークで革新的な制作方法の一方で、サウンドはポップでダンサブル。マウス・オン・マーズならではのアルバムとなっています。

Photo by Guillaume Bog