音楽大学附属高校を卒業したのち、リストを学びたいという一心でハンガリーに移住し、世界的に著名なジョルジュ・ナードルに師事。さらに学びたい場を見つけ、米国に拠点を移し、演奏活動を開始。その後世界を舞台に音楽活動を行ない、これまでに5作のアルバム作品をリリース。YouTubeで発表した「ラ・カンパネラ」は380万回再生を記録し、並行してラジオのパーソナリティを務めるなど、マルチな才能を発揮しているクラシック・ピアニスト“長富彩”が、ラヴェルの作品に挑んだアルバム『夜のガスパール』をビクター移籍第1弾作品として10月6日（水）に発売しています。

　ラヴェルは、長年あたためてきた企画であり、結婚、子育てという人生の変化を経て、長富にとって今だと感じる思いを込めた新譜となっています。今作は、フランスの作曲家ラヴェルの「クープランの墓」、「夜のガスパール」、「高雅で感傷的なワルツ」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」という作品構成となっており、長富が幼少の頃から触れ、ずっと形に残したいと考えていた作曲家ラヴェルの作品を長富なりの表現でレコーディングに取り組んだ作品となっています。

　また、10月24日（日）には、CDの発売記念として東京・浜離宮朝日ホールにてリサイタルも決定。生演奏に触れて長富が表現するラヴェルの世界を感じてみてはいかがでしょうか。

［コメント］
今回のアルバムは私の“好き”が詰まったドラマティックな作品です。
幼い頃から物語や情景、生活の中で感じる様々な音をピアノの音色に重ね表現する事が、演奏していて1番幸せな時間でしたので、特にタイトルとなっている「夜のガスパール」は心からストーリーの中の人物、または妖怪、妖精を演じるような感覚で奏で、聴いてくださる方がどこか違う世界に迷い込めるような作品になるように願いながら挑みました。
ラヴェルの壮大なドラマを、また彼自身が挑んだ最高峰のテクニック散らばる世界を楽しんでいただけたら幸いです。
――長富彩