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中島みゆき、東京国際フォーラムにてコンサート〈一会〉を開催

中島みゆき   2015/11/24 16:09掲載
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 11月19日、〈中島みゆきConcert「一会(いちえ)」2015〜2016〉が東京国際フォーラムで開催された。静寂のなかに身をひそめていた観客の期待は、バンドの演奏が始まり、緞帳が上がると、大きな拍手となって姿を現わした。そして、風を立たせ、中島みゆきが登場。

 アルバム『LOVE OR NOTHING』(1994年)収録曲「もう桟橋に灯りは点らない」が1曲目。ライブとは思えないくらい鮮明に聴こえる言葉。「夜会」などで培ってきた独特の発声法によるものなのか。アレンジの妙か。音響スタッフの腕か。あるいはそのすべてかもしれないが……。そっと語るように、小さくつぶやくように歌う「ピアニシモ」「あなた恋していないでしょ」でも、一切くぐもることのない声と言葉。もはや神業の域だ。

 コンサートは3部構成。第1部は“Sweet”。第2部は“Bitter”。第3部が“Sincerely Yours”。ここは観客(みなさん)への感謝に代えて、といったところだろう。

 全セットリスト中、もっとも古い曲は、『臨月』(81年)収録の「友情」。もっとも新しい曲が11月11日に発売になったばかりのニューアルバム『組曲(Suite)』収録曲。たとえば第1部で歌われた「ライカM4」。中島みゆきとはデビュー以来のつきあいであるタムジンこと、写真家の田村 仁を歌ったらしい。中島みゆきのイメージからは、想像できないほどグルーヴィーなボーカルだった。たとえば第2部での「空がある限り」。夕暮れを背負い、凛と立って歌う。徐々に熱を帯びる声。客席を埋めた5,000人超がジリッジリッと中島みゆきの懐にひきずり込まれるのを見た。

 12月9日(水)には、この『組曲(Suite)』がアナログ・レコードでも発売になる。中島みゆきにとって17年ぶりのLPレコード。世界的なカッティング・エンジニア小鐵 徹がハイレゾマスター音源をカッティング。言葉の肌ざわりまでも聴こえてきそうだ。

 コンサートは進む。観客からのお便りを読むラジオ番組風コーナー、子供時代の思い出なども交えた爆笑MC、舞台上での衣装の早替えなど、音楽以外でも楽しめる構成と演出。NHK連続テレビ小説『マッサン』主題歌「麦の唄」で第2部を締める。続く第3部の曲をすべて歌い終えると、客席に近づき挨拶をする中島みゆき。観客を見渡す表情はすがすがしい。膝を折る深いおじぎはバレリーナの美しさ。最後の最後、舞台袖間際で、立ち止まり、少しだけ振り向き、手を振った。「じゃ、また」。潔い短い別れの言葉が聞こえてきそうな一瞬だった。そして、また風を立たせ、去って行った。

取材・文 藤井徹貫


■2015年11月11日(水)発売
中島みゆき
『組曲(Suite)』

YCCW-10265 3,000円 + 税

[収録曲]
01. 36時間
02. 愛と云わないラヴレター
03. ライカM4
04. 氷中花(ヒョウチュウカ)
05. 霙の音(ミゾレノオト)
06. 空がある限り
07. もういちど雨が
08. Why & No
09. 休石(ヤスミイシ)
10. LADY JANE

■2015年11月11日(水)発売
中島みゆき
『夜会VOL.18「橋の下のアルカディア」』

Blu-ray YCXW-10007 9,000円 + 税
DVD YCBW-10060 8,000円 + 税

[収録曲]
01. なぜか橋の下
02. 水晶球(スイショウキュウ)
03. 謎な女(ナゾナオンナ)
04. 問題集
05. いらない町
06. 失せ物探し(ウセモノサガシ)
07. 恋なんていつでもできる
08. いちど会ったらどうかしら
09. 大きな忘れ物
10. 猫なで声プリーズ
11. 川の音が聞こえる
12. 一族
13. 昔々あるところに
14. 捨て子選び
15. すあまの約束
16. 男の仕事
17. 身体の中を流れる涙
18. 男の仕事
19. みのむし(鬼の捨て子)
20. 私と一緒に
21. 猫籠(ネコカゴ)
22. 人柱(ヒトバシラ)
23. 人間になりたい
24. 問題集
25. 身体の中を流れる涙
26. どうしてそんなに愛がほしいの
27. 雨天順延
28. ペルシャ
29. 袋のネズミ
30. シャッター街
31. 恋なんていつでもできる
32. 雨天順延
33. 二雙の舟(ニソウノフネ)
34. 水晶球(スイショウキュウ)
35. 一族
36. 呑んだくれのラヴレター
37. 一夜草(イチヤソウ)
38. 毎時200ミリ(マイジニヒャクミリ)
39. いらない町
40. 呑んだくれのラヴレター
41. 猫にだけ見えるもの
42. 国捨て(クニステ)
43. India Goose
44. 私と一緒に
45. India Goose
46. なぜか橋の下

中島みゆき
『組曲(Suite)』 / 『夜会VOL.18「橋の下のアルカディア」』
特設サイト

www.yamahamusic.co.jp/miyuki

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YAMAHA「HPH-M82」カラー: ジュエリーゴールド
※キャンペーンの詳細は、対象商品に封入のキャンペーンチラシをご覧ください。

中島みゆき Concert
「一会(いちえ)」2015〜2016

www.miyuki.jp

[2015年]
・11月12日(木)
東京都・府中の森芸術劇場
・11月16日(月) / 17日(火) / 19日(木)
東京都・東京国際フォーラム ホールA
・12月14日(月) / 15日(火) / 17日(木)
大阪府・オリックス劇場

[2016年]
・1月7日(木) / 8日(金)
大阪府・フェスティバルホール
・1月26日(火) / 27日(水) / 29日(金)
東京都・東京国際フォーラム ホールA
・2月8日(月) / 9日(火) / 11日(木・祝)
東京都・東京国際フォーラム ホールA
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