米国を拠点に活動し、1957年の映画『サヨナラ』で、日本人初にして現時点で唯一のアカデミー賞（助演女優賞）を受賞したナンシー梅木。ジャズ・シンガーとしても活躍した彼女は、今年8月28日に惜しまれつつこの世を去りましたが、その追悼盤がリリースされることになりました。タイトルは『ナンシー梅木 アーリー・デイズ 1950-1954 [Delux Edition] （The Complete Victor Recordings）』（VICJ-61537〜8 税込\3,150）。発売は11月21日の予定です。

　今作は、2001年にリリースされ、ロング・セラーとなっている『アーリー・デイズ 1950〜1954』（写真）を軸に、初収録となる楽曲を追加した2枚組。Disc 1がジャズ・スタンダード、Disc 2が和製ジャズ・ソングという構成になっており、日本で活動していた50年代前半、ビクターに残した全音源を完全収録しています。また、音源にはK2HDマスタリングによるリマスターを施し、詳細な解説、米国時代も含むディスコグラフィーも掲載されるなど、資料的価値も充分です。

　日本人ジャズ・シンガーの草分けともされる彼女は、そのハスキー・ヴォイスで聴衆を魅了。当時、進駐軍の兵士からも絶賛を浴びたというエピソードが残っています。シンガーとしての魅力を、今作で再確認してみてはいかがでしょうか。