シティ・ポップのルーツとも言える昭和の職業作家達の作品集“ビクター・トレジャー・アーカイヴス”シリーズが11月23日（水・祝）に発売されます。

　現在、世界的なブームになっている日本のシティ・ポップの作・編曲家たちに多大な影響を与えたのが、1960〜70年代にかけて制作されたヒット曲の数々と、時を経てなお聴き手を魅了するそれらの楽曲制作に関わった職業作家やミュージシャン、アレンジャーの面々。

　世界的ヒットとなった「真夜中のドア」の作曲家・林哲司は、ニュー・ミュージック、歌謡曲、映画音楽などの分野に楽曲提供し、現在もなお新人ヴォーカリストやアニメ・ソングなども手掛け活躍していますが、その林が敬愛するのが、いずみたくや中村八大、すぎやまこういちら職業作家。鈴木慶一や井上鑑ら林と同世代の作家たちも、60年代から70年代にかけてヒット曲を世に放った職業作家への賞賛を惜しみません。ラジオやテレビから流れる豊かな音楽性を持った“日本のスタンダード・ソング”を作ったのが“職業作家”です。

　本シリーズは、ビクターに残る職業作家の仕事を、作家ごとに編み、その魅力を俯瞰する特別企画。今回選出されたのが、作曲家のいずみたく、山下毅雄、そして作詞家の山上路夫の3人で、いずれもビクター専属作家として、そのキャリアを踏み出したソングライターたち。本企画は、その膨大な楽曲の中から作品を厳選、代表作はもとより、初CD化やアルバム未収録曲を豊富に選曲、三者三様の個性が楽しめるよう、お宝音源を交えた貴重なアーカイヴ・シリーズとなっています。

　今年2022年は、いずみたく、山上路夫、山下毅雄の3人の記念年となっており、順に、いずみたくは今年没後30年、山上路夫はビクターにおける大ヒットにして出世作「世界は二人のために」の発表から55年、山下毅雄は、1962年に『七人の刑事』で第4回日本レコード大賞にて新人作曲賞を受賞してから60年を数えます。各盤共にレコード大賞受賞曲を収録した2枚組、全40曲を収録。うち山下毅雄30曲、山上路夫21曲、いずみたく10曲が初のCD化となります。