[ライヴ・レポート] 会場は厳かな空気に包まれながら、ストリングに包まれたSEが会場に鳴り響く。メンバーと共にコーラス隊総勢28名がステージに着くと、1曲目は「WE ALL FEEL HIS STRENGTH OF TENDER」。アルバム『UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY』1曲目に収録されており、ゴスペル要素の強い、壮大なコーラスワークが印象的なナンバー。そう、このライブは“アルバム完全再現ライブ”。アルバム通りの曲順で全て届ける、そして今のGLAYであればそれが出来る。そんなバンドとしての自信の表れとも言えるオープニングである。TERU(Vo.)の歌声と28名のコーラスが混ざり合い、GLAY流の讃美歌とも言えるパフォーマンスを魅せてくれた。続いては、当時飛行機のCMソングでもあった「またここであいましょう」や、21世紀以降にリリースされたGLAYシングルの代表作とも言える「Way of Difference」を、勿論アルバムの曲順通りに披露。
ライブ終盤では、浜松市立高等学校の生徒と東京スクールオブミュージック専門学校渋谷の学生たち26名がステージに現れ、「Friend of mine」を披露し、残すところアルバムの曲はラストの「All STANDARD IS YOU〜END ROLL〜」のみとなる。アルバム収録音源はラップが入ったりと「All STANDARD IS YOU」のRemix的要素の強いサウンドになっているが、どんなパフォーマンスになるかと思えば、まさかのコード進行から大胆に変えたアレンジver.で臨んできた。まさに20年前のGLAYと、今のGLAYが混ざり合うようなライブパフォーマンス。一瞬新曲かとも思わされるが、耳を傾ければ間違いなく「All STANDARD IS YOU」であり、GLAYらしい完全再現の締めくくりである。本編がこれで終わるかと思えば、最新曲「Only One,Only You」をラストナンバーとして披露。この楽曲にはTAKUROの平和に対する強い祈りが込められており、リリース当時のインタビューでは、最後のコーラスワークはTERUの歌声が識別できない程、壮大な仕上がりにしたいと語っていた。まさにその言葉通り、総勢28名のコーラスとTERUのヴォーカルが混ざり合うパフォーマンスは圧巻であり、音源では伝わりきらない「Only One,Only You」に込められた想いが音となって会場を包んでいき、「GLAY Anthology presents -UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY 2022-」の本編は幕を下ろした。
着席での観覧となった今回のツアーだが、「Freeze My Love」から始まったアンコールでは、会場全員が立ち上がり、本編とはまた違った盛り上がりを見せた。TERU(Vo.)の「僕たちはずっとそばにいるし、ずっと続けていきます」の宣言とともに、「TWO BELL SILENCE」そして「BEAUTIFUL DREAMER」を披露し、ライブは終演した。是非、最新曲「Only One,Only You」、そして20年前のアルバム「UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY」を今一度聴いてみては如何だろう。そこには20年前から変わらぬGLAYの想いが、途絶えることなく今も続いていることが感じられるのではないだろうか。
Photo by 岡田祐介
■GLAY Anthology presents -UNITY ROOTS & FAMILY,AWAY 2022- 01. WE ALL FEEL HIS STRENGTH OF TENDER 02. またここであいましょう 03. girlish MOON 04. Way of Difference 05. 航海 06. ゆるぎない者達 07. 夏の彼方へ(Johnny the unity mix) 08. neverland 09. 彼らのHOLY X'MAS 10. Father & Son 11. 卒業まで、あと少し 12. Friend of mine 13. ALL STANDARD IS YOU〜END ROLL〜 14. Only One,Only You 15 Freeze My Love 16 TWO BELL SILENCE 17 BEAUTIFUL DREAMER