“新しい手法が生む新しい映像体験”を標榜し、過去に2本の短編映画がカンヌ国際映画祭から正式招待を受けた監督集団「5月」。数多くの名作CMや教育番組『ピタゴラスイッチ』を手掛けてきた東京藝術大学名誉教授・
佐藤雅彦、NHKでドラマ演出を行ってきた関友太郎、多岐にわたりメディアデザインを手掛ける平瀬謙太朗の3人からなる「5月」が、名優・
香川照之を主演に迎えて制作した初の長編映画『宮松と山下』が、11月18日(金)より東京・新宿武蔵野館、東京・渋谷シネクイント、東京・シネスイッチ銀座ほにてか全国ロードショーとなります。
本作は、監督「5月」が手掛けた映像の斬新さに加えて劇伴の音楽も見どころの一つ。予告映像の冒頭にも使われている、和を感じさせる音楽で今から何が起こるのかと期待感を煽ったと思えば、多種多様な音色を使った不協和音が奏でられたメロディで観客をミステリアスな世界へ一気に引き込み、宮松の過去をなぞるような切ない劇伴が本作の魅力をより一層引き立てています。じつは、楽曲に使われている音の多くは劇中の環境音や効果音を加工して編み出されたものだということです。
音楽を担当したのは、「5月」の前身である「c-project」に所属し、過去にカンヌ国際映画祭に招待された2作品の共同監督でもある
豊田真之。これまでも2018年の短編作品『どちらを』などで、「5月」の作品の音楽を担当しています。また、豊田は映画の劇伴だけでなく、俳優の
神木隆之介と
二階堂ふみがキャラクターに扮して歌う、NHK EテレのSDGsキャンペーン「ひろがれ!いろとりどり」の主要コンテンツ「SDGsのうた」の作曲を担当しています。作詞は本作の監督のひとり、平瀬謙太朗が共同で務め、映像ディレクションを両名が担当。ほかにも、佐藤雅彦監督が監修を務めた物質・材料研究機構(NIMS)の科学映像シリーズ「未来の科学者たちへ」のテーマ・ソングの作曲・歌唱を担うなど、映画分野以外でも何度もタッグを組み、絶大な信頼を寄せられている豊田が、本作の音楽を担当しました。多彩な才能が織り成す『宮松と山下』の劇伴にもぜひご注目ください。
©2022『宮松と山下』製作委員会