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大石始、屋久島古謡「まつばんだ」の謎を追った新刊『南洋のソングライン』を発表

2022/11/21 12:17掲載
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大石始、屋久島古謡「まつばんだ」の謎を追った新刊『南洋のソングライン』を発表
 世界の音楽 / 地域文化を追いかける文筆家の大石始が、かつて屋久島で歌われていた民謡「まつばんだ」の謎を追う新刊『南洋のソングライン ―幻の屋久島古謡を追って』(キルティブックス)を11月20日に発表しました。

 「まつばんだ」には、琉球音階が取り入れられていますが、屋久島は沖縄や奄美からはるか北方にあり、琉球文化圏ではありません。なぜ屋久島に琉球の名残があるのか、ごくわずかな例を除いて本格的な調査が行われてきませんでした。それならば、と大石は3年がかりでフィールドワークを敢行。そこから見えてきたのは、沖縄〜鹿児島〜南西諸島に暮らす海洋民たちの生活史でした。さらに、この民謡を復活させようとする島民たちの活動にも迫っています。

[著者コメント]
歌の本質はいったいどこにあるのか。この本の取材を進めるなかで、常にそう自問自答していたような気がしている。
僕はここで「まつばんだ」を伝え、歌った人々の個人史を綴ろうとしていたのだと思う。郷土史にさえ載っていないような小さな物語を拾い集めること。しかも島の外部に生きる人間として、そうした物語を繋ぎ合わせ、そこから浮かび上がってくるものに目を凝らすこと。
ただし、本書の軸をなしているのは、あくまでも「彼らの物語」であって、「僕の物語」ではない。この本は屋久島に住む人々の物語に部外者である僕が触れた結果でもある。
屋久島の物語は必ずしも島民だけが繋いできたわけではない。琉球や山川、与論島からやってきた海民たちや薩摩藩の役人たち。あるいは屋久島に導かれてやってきた移住者たち。彼らが紡いできたものも物語の一部を形成している。屋久島の個人史は実に多様で、島の内部と外部を巡る関係もまた決して単純なものではない。だからこそ、「まつばんだ」のように多層的な歌が育まれてきたのだ。(あとがきより)

――大石 始

キルティブックス
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