2022年に開催されたスペイン・マドリード国際映画祭外国映画部門にて、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞、ヘアメイク賞の4つの賞にノミネートされ、主演の
森田想 が見事、主演女優賞を受賞する快挙を成し遂げた映画『わたしの見ている世界が全て』が、2023年春に劇場公開されることが決定。この度、特報映像が公開されました。
本作は、自分一人の力で生きてきたつもりの主人公・遥風が、母の死をきっかけに再会した兄弟との交流を通じて、大切なものに気づいていく物語。“個人の力で生きていくこと”がもてはやされる時代の中で、“失われつつある大事な心”を描いた社会風刺エンタテインメントです。
主演を務めるのは、映画『
アイスと雨音 』(
松居大悟 監督 / 2018)、『
タイトル、拒絶 』(
山田佳奈 監督 / 2020)、『
朝が来る 』(
河瀬直美 監督 / 2020)や、NHK連続テレビ小説『
エール 』など数々の話題作に出演し、演技が高く評価されている森田想。森田の兄弟役に
中村映里子 、
中崎敏 、熊野善啓などの実力派俳優が揃い、複雑に揺れ動く感情を巧みに表現しています。
監督は、TAMA NEW WAVE 映画祭特別賞・主演男優賞などを受賞した
池松壮亮 主演の短編映画『家族の風景』や、
小林直己 (
EXILE )主演短編ドラマ『アイの先にあるもの』を監督した新進気鋭の
佐近圭太郎 。『
東京バタフライ 』に続いての長編2作目となる本作ですが、マドリード国際映画祭に続き、アメリカ南部最大級のアジア映画祭であるダラス・アジアン映画祭へも正式出品しており、海外でも高い評価を得ています。
また、一人でも多くの人に本作を届けたい、多くの土地で上映したいという願いを込めて、クラウドファンディングの実施が、クラウドファンディングプラットフォーム「MotionGallery」にて12月6日(火)11:00よりスタート。エンドロールへのクレジット掲載、監督とプライベート試写会開催、関係者試写会打ち上げへの招待など、様々なリターン特典をご用意しています。詳しくは、「MotionGallery」のクラウドファンディング・ページをご確認ください。
そして、この度公開された特報は、佐近監督の想いが印象的な内容に。なお、国内での劇場公開決定を記念して、主演・森田想と佐近監督からコメントが到着しました。
[コメント] 本作にて熊野遥風役を演じました、森田想です。 家族の話はとても繊細で、私はちょっぴり苦手です。向き合うには照れ臭く、むず痒くなったり、胸が締め付けられたり。 一人でそれなりに生きているつもりでも、周りに居てくれる誰かに支えられ、自分だけを見つめている人生では気付けないことがあるのに。 リハーサルや撮影を通して、くすくす心の奥でにやけてしまうほど魅力的で頼り甲斐のあるキャストの皆さんと過ごした家族としての日々、そんな皆をせっせと巻き込む遥風の猛進さは、演じていて清々しいほどでした。熊野家のそれぞれにある物語が私は大好きです。 撮影期間の私がそうだったように、未熟な自分さえ受け入れ向き合う時間を、この映画を通して作って欲しい。 そして差し出してくれる手を握り返せるように。監督やスタッフさんとも丁寧に作ったこの作品を、皆様のお力を借りて、一歩一歩遠くまで届けたいです。どうぞ宜しくお願いします。 ――熊野遥風役 森田想(もりた・こころ) タイトルにも込めましたが、私は自分から見えている世界だけを信奉し、その他の世界への想像力がない人や、その振る舞いに対してずっと違和感を感じてきました。 というより、今作の制作を通して、自分が心の奥底で抱いていた違和感に気づいた。というのが本音です。 また、「何かを成し遂げるためには犠牲は必要だ」と時折耳にするフレーズがあります。これは自己犠牲の範疇ならば自由ですが、他者を巻き込んだ上で、これを前提化することは自己実現を目的とした欺瞞であり、ただの暴力でしかないぞ!という怒りに近い気持ちがふつふつと込み上げてきた結果、『わたしの見ている世界が全て』という物語が立ち上がりました。みんなが色んな思いや葛藤を抱えて日々を生きてるし、それは決して他者から簡単に見えるものではないという想いを込めた映画です。 この想いを、東京のみならず、全国に暮らす人々と分かち合うことができたらこんなに嬉しいことはありません! より多くの方々に本作を届ける本プロジェクトへのご支援の輪を、皆様と共に広げさせていただけますと幸いです。よろしくお願い申し上げます! ――佐近圭太郎監督 VIDEO
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