ピアニストの
アレクサンドル・タロー(Alexandre Tharaud)が、古今東西の映画音楽から約50曲を取り上げたアルバム『CINEMA』から、
ヴァネッサ・パラディをゲストに迎えた「ダレッシオ:映画『インディア・ソング』 India Song」のレコーディング映像を公開。
「India Song」は、1975年に公開された
マルグリット・デュラス監督による同名フランス映画のテーマ・ソング。この
カルロス・ダレッシオによる音楽を、タローとパラディはピアノと歌で美しくも親密なヴァージョンに仕立てています。
アレクサンドル・タローと映画音楽の関係は深く、また幅広いものです。この2枚組のアルバム『CINEMA』では、フランス、イタリア、アメリカ、日本、ポーランド、ルーマニア、レバノンの作曲家による、60年以上にわたる映画の歴史から約50曲の有名な映画音楽を取り上げています。その中には、
ミシェル・ルグラン、
ジョン・ウィリアムズ、
エンニオ・モリコーネ、
フランシス・レイ、
マーヴィン・ハムリッシュ、
ニーノ・ロータ、
フィリップ・グラス、
坂本龍一などが含まれており、ディスク1にはピアノとオーケストラ、ディスク2にはピアノ・ソロとゲストを迎えた楽曲を収録。録音には
アントニオ・パッパーノ指揮
ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、歌手のヴァネッサ・パラディ、
カメリア・ジョルダナ、サドゥヴィエル、クラリネットの
ミシェル・ポルタル、ヴァイオリンの
ネマニャ・ラドゥロヴィッチが参加しました。
タローはこのアルバムについて、「子供の頃、私は怠け者で、ピアノの勉強をさっさと終わらせ、5歳の頃から、祖父母の家でテレビから流れてくる映画音楽など、身近にある音楽を即興で演奏して楽しんでいました。若い頃、無声映画の生伴奏をたくさん演奏しました。無声映画では、観客に気づかれないようにずっと演奏していなければならないので、邪魔にならないような音楽を考える方法を学びました。また、あるシークエンスを誇張して、登場人物の好感度を上げたり下げたり、観客を笑わせたり泣かせたりしなければならない。このような経験から、私は映画音楽とは何かということをより深く理解することができるようになりました。またミシェル・ルグランとの出会いもきっかけになり、彼は、私が2012年に日本で初演した〈イエントル・メドレー〉を含むいくつかの楽譜を送ってくれたりしました」と語っています。