1971年に発表した『
つづれおり』の大ヒットで、時代を象徴するシンガー・ソングライターとなったキャロル・キング(Carole King)が、1973年5月26日に米ニューヨークのセントラル・パーク内にあるザ・グレイト・ローンで、およそ10万人の観客を集めて開催した無料コンサートの模様を収録する新作ドキュメンタリー映画『ホーム・アゲイン:ライヴ・イン・セントラル・パーク』が完成。1月19日(木)にニューヨークのIFCフィルム・センターでプレミア試写会が開催され、米国ではキングの誕生日にあたる2月9日(木)にザ・コーダ・コレクションの独占でストリーミング公開されます。また、そのライヴ音源が2月10日(金)に配信リリースされます。
映画は、『つづれおり』のプロデューサーでもある
ルー・アドラーが、マルチカメラにより16ミリ・フィルムで撮影した未発表パフォーマンス映像を中心に、キングやアドラーらへのインタビューをフィーチャーしたもの。当時のキングは高く評価され、商業的に大きな成功を収めていたにもかかわらず、コンサートを行なうことは稀で、コンサート当日、キングは貴重な機会に期待を募らせた観客を前に、弾き語りと11人のバンドを従えた演奏の二部構成のパフォーマンスを披露しました。
当時を振り返ってアドラーは「私たちは何かスペシャルなことをキャロルとニューヨークでやりたいと思っていた」「ロン・デルスナーと連絡を取って、キャロルが地元のニューヨークに帰ってくると話したんだ。ここは彼女が育って、音楽で身を立て始めた場所だ。ニューヨークは彼女にとってすべてだったから、彼女はふるさとと熱心なファンの両方に何かお返しがしたいと考えていた」と語っています。
キングは「『つづれおり』がものすごくヒットしたから、みなさんに何かお返しがしたいと強く願っていたの」「セントラル・パークの、人でいっぱいのグレイト・ローンを臨むステージに出ていったとき、最初の1分間は何だか恐ろしかったわ。でもみんなの歓声が私の方に波みたいに押し寄せてきたの。とにかく愛にあふれていたわ。受け止めきれないくらいたくさん。でも、私がやるべきなのは座ってプレイし始めることだけだって気づいたの。みんな私を観に来ていたからね。どう歌えばいいかはわかっていたから、その通りにしたわ」と当時を思い返しています。
アドラーが撮影したフィルムと録音は、その後半世紀未発表でしたが、「最近ジョン・マクダーモットが“これは映画にすべきだ。このパフォーマンスは日の目を見るべきだ”と言ってきたんだ」とアドラーは説明します。「彼が興味を持っていることが嬉しかったから、“ああ、そうしよう”と言ったんだ。私がキャロルに連絡して、そこから制作に入った」。映画はジョージ・スコットが監督を務め、ルー・アドラーとジョン・マクダーモットがプロデューサーとして名を連ねています。