イアン・アンダーソン率いる英国のプログレッシヴ・バンド、
ジェスロ・タル(Jethro Tull)が、ニュー・アルバム『ロック・フルーテ』を4月21日(金)に発表します。彼らがアルバムを発表するのは、約18年ぶりのアルバムとなった2022年1月リリースの『
ザ・ゼロット・ジーン』以来、1年3ヵ月ぶり。古代スカンジナビアの神話にある“最終決戦”にアンダーソンが惹かれたことから生まれたこの新作から、1stシングルの「ギンヌンガガプ」が公開されています。
12曲入りのアルバムは、古代スカンジナビアの多神教信仰における主要神のキャラクターや役割に基づいた内容となっていると同時に、ジェスロ・タルによって象徴的な存在になった“ロック・フルーテ”(ロック・フルート)の世界を探求しています。1stシングルの「ギンヌンガガプ」は神ユミルにインスピレーションを得たもので、人間の原型である原始人のユミルは、エーリヴァーガルと呼ばれる氷で覆われた川から滴る毒液から生まれ、ギンヌンガガプという不毛の地に棲んでいたといわれています。公開されている「ギンヌンガガプ」のミュージック・ビデオはアニメーションになっており、コスティン・チオレアヌが製作しました。
アンダーソンはこのアルバムについて「アルバムのタイトルは決まるまでに2〜3回変わっているんだ。僕はロック・ミュージックにあるようなロック・フルート向けの、インストゥルメンタルが大部分のアルバムを作ろうというアイディアから始めた。アルバムの主題が見えてきた頃、古代スカンジナビアの神話に出てくるラグナロク(Ragnarök)という概念に惹かれた。黙示録的な終末期、あるいは聖書でいうアルマゲドン(世界最終戦争)の彼らによる解釈のことだ。“最終決戦”のシナリオは、たとえばヒンズー教、キリスト教、イスラム教など、至るところに遍在している。“ラグナロク”は“神々の運命”と訳せて、“ロク(rök)”の部分が運命、道、方向性を意味するんだ。ゲルマン語の起源である古ノルド語に由来するウムラウト(oの上の点)がしっかりあるということで、フルート(flute)もスペルを合わせてフルーテ(Flöte)となっている。ここまで解るかな? 理に適った効果的なウムラウトを使うという素晴らしい機会を逃す訳にはいかないんだ」と語っています。