昨年のカンヌ国際映画祭にてザーラ・アミール・エブラヒミが女優賞を受賞した、鬼才
アリ・アッバシ監督(『
ボーダー 二つの世界』)の最新作『HOLY SPIDER』(原題)。2000年から2001年にかけ、イランで実際にあった娼婦連続殺人事件から着想を得て描いた衝撃作が、この度邦題を『聖地には蜘蛛が巣を張る』とし、4月14日(金)より東京・新宿シネマカリテ、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、東京・TOHOシネマズシャンテ他にて順次公開することが決定。あわせて、日本版ポスター・ヴィジュアルが公開されています。
イランの聖地マシュハドで2000年から2001年にかけて16人もの犠牲者を出した“スパイダー・キラー事件”と呼ばれたサイード・ハナイによる娼婦連続殺人事件に基づき描かれた本作。監督を務めたのは、第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞した『ボーダー 二つの世界』(同年アカデミー賞スウェーデン代表)でスリリングなファンタジーの世界を描き、映画界の注目を一気に集めた、北欧の鬼才アリ・アッバシ。「連続殺人鬼の映画を作りたかったわけではない。私が作ろうと思ったのは、連続殺人鬼も同然の社会についての映画だった」と語り、構想に15年をかけたといいます。
主人公の女性ジャーナリストを演じたのは、本作で第75回カンヌ国際映画祭女優賞に輝いたザーラ・アミール・エブラヒミ。「彼女の演技は息を呑むほどすばらしい」(20 MINUTES)と評されるなど、鬼気迫る演技で大きな話題となりました。
今回公開となった日本版ポスター・ヴィジュアルは、オリジナルポスターを踏襲、色鮮やかで複雑な織りのペルシャ絨毯に描かれているのは、劇中に出てくる“娼婦”をモチーフにしたデザインで、本作の世界観を表現。邦題『聖地には蜘蛛が巣を張る』は、殺人鬼につけられた“スパイダー”という呼び名と、アリ・アッバシ監督が飛行機の上空からマシャハドの街を見た際に、中心部にあるモスクから広がる街並みが、まるで「蜘蛛の巣」のように見えたという印象を受けて付けられました。そして「それは、一線を越える」というコピーが人間の深淵にある狂気と恐怖を予感させます。
©Profile Pictures / One Two Films