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The Biscats主催のロカビリーフェスにレジェンド大集結 尾藤イサオが「あしたのジョー」やプレスリー熱唱

Biscats   2023/02/09 18:01掲載
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The Biscats主催のロカビリーフェスにレジェンド大集結 尾藤イサオが「あしたのジョー」やプレスリー熱唱
 BLACK CATSMAGICのメンバーとして日本ロカビリー界を牽引してきた久米浩司の娘であり、2020年代に新しいロカビリームーヴメントを起こすべく奔走中のMisaki率いるハイブリッド・ロカビリー・バンド、The Biscats

 ロカビリーの日である2月8日、昨年に引き続き主催イベント〈ROCKABILLY FESTIVAL 2023〉(以下、ロカフェス)を開催しました。

[ライヴ・レポート]
 日本のロカビリーカルチャーを集結させたこのイベントには、全方位でロカビリーを堪能してもらうべく、会場の東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGE内にGOOD ROCKIN'、SAVOY CLOTHING、SHIGEMI KAT CUT、原宿 Jack's、BLUE VELVET'Sといった店舗が出店しており、DJ RAW-HIDEが畳み掛ける新旧ロカビリーナンバーを堪能しながら、買い物をしたり、お酒を呑みながら語らったりと開会前からゴキゲンなオーディエンスたち。

 開場から1時間ほど経つと、主催者・The BiscatsとMCを務めるロカビリー芸人・TAIGAが登壇し「がんばロカビリー!」の掛け声と共に開会宣言。そして、トップバッターとしてThe Biscatsのサポートメンバーとしてもお馴染みブギウギピアニストのダイヤ・ピアノ・サンタが登場すると、牧歌的なオリジナルソングからお得意のヨーデル、ビートたけしのモノマネで笑いを誘いつつ「火の玉ロック」の熱演カバーなど弾き語り、会場を一気に温めていく。

 昨年に続いての出演となった、親戚だけで構成されたオールディーズダンスチーム・Good Spiritsは、BLACK CATSの「ロカビリー・ブギ」でバップも取り入れたダンスパフォーマンスを繰り広げたり、映画『ヘアスプレー』劇中歌でオーディエンスを扇情したりと、前回以上の存在感を発揮。同じく2年連続参戦となった、久米浩司や山口憲一(g)、The Biscatsのサウンドプロデューサーでもある真崎修(vo)といった伝説のロカビリーキングたちが集結したバンド・THE KING CATSは、ベースにThe BiscatsのSukeを迎えた形で「今日はオリジナル曲だけでいきます」と、円熟味と色気の半端ない強烈なアクトを展開していく。特に、ロカビリーレジェンドであるビル・ヘイリーに捧げると「Hi! Bill」でロカビリー愛を爆発させたステージングは圧倒的であった。

 今年のロカフェス後半には、BLACK CATS以降のシーンを支えてきたレジェンドバンドたちが登場。80年代後半〜90年代にかけて日本のロカビリーをメインストリームに押し上げたBLUE ANGELは、昨年末に心臓の大手術から生還した佐々木研(KEN/dr)含むメンバー揃い踏みで、35年のキャリアを持つ大御所バンドながら、ライブが楽しくて仕方ない様子でハジけた演奏と歌声をノンストップで響かせていく。また、浦江アキコ(URI-VO/vo)のオーディエンスの煽り方も卓越しており、会場中の誰もが「HAPPY BIRTHDAY」「君にTRY AGAIN」といった往年のヒット曲を堪能しながら飛び跳ねていく光景は圧巻だった。

 また、MAGICのメンバーとして活躍していた山口憲一と久米浩司が90年代に結成したバンド・RODEOがこの日23年ぶりに復活。The Biscatsのサポートメンバー含む男性陣を従え、ふたりでギターを掻き鳴らしながら1曲目「Let's Go,Shakin」を歌い出した瞬間の熱量、止まっていた時間が一気に動き出したような解放感は尋常じゃなく、オーディエンスも一丸となった、実に痛快なグルーヴが会場中を支配していた。四半世紀ぶりに復活し、後輩たちとライブができていることについて「こういう機会があると思わなかった。皆さんに感謝します」と感慨深げに告げる山口。その後もRODEOの音楽は、最後の「今夜はダンスオールナイト」に至るまでハートフルに響き渡り続けた。

 錚々たる先輩たちのステージを受け、大トリとして登場したロカフェス主催者・The Biscats。ライブを追うごとに明確な進化を遂げてきたバンドだが、この日は冒頭の「Teddy Boy」「lingering scent」から気合いの漲り方が凄まじく、その歌声や演奏、一挙手一投足からレジェンドたちに勝るとも劣らない覇気が溢れ返っていた。そのスパークぶりは急遽「ちょっと待って! このまま次の曲をやろうと思っていたんだけど、ハッスルし過ぎて! 10秒待って」とMisaki自らクールダウンの時間を設けるほど。そして「いつの間にこんなに集まったの? ビックリ! 後ろまでぎっしりだよ。本当にありがとうございます!」と満員の観客に感謝を告げると、Good Spiritsの女性ダンサーたちを引き入れて、ラブリーな人気曲「Sweet Jukebox」で会場中をゴキゲンな笑顔でいっぱいにしていく。

 そして、Misakiが「お待たせしました! 本日のスペシャルゲスト・尾藤イサオさんのステージです!」と紹介した瞬間、なんと「あしたのジョー」のイントロダクションが響き渡り、そこへゆっくりと登場したロックスター・尾藤イサオは「サンドバッグに浮かんで消える〜♪」「たたけ! たたけ! たたけ!」と今年80歳を迎えるとは思えない叫びにも似た歌声を響かせる。当然ながら客席からは拍手喝采の嵐。その反応に満面の笑みで喜ぶ姿はとてもチャーミングで、その後も「悲しき願い」や1960年代に[第20回記念日劇ウエスタンカーニバル]でプレスリー賞を受賞した尾藤らしく「Don't be cruel」「監獄ロック」といった名曲カバーをThe Biscatsの演奏と共に大熱唱。レジェンドがまた新たな伝説を刻んだステージと言って過言ではない、そんな劇的なアクトであった。

 2回目にしてロカビリーの歴史そのものが体現されたロカフェス。主催者であるThe Biscatsは、そのプレッシャーすらも自らの力へと昇華し、「ここからThe Biscats、めちゃめちゃ飛ばしていきますけど、ついてこれますか?」と「ジレンマ」「Baby boo」「take away」「Hot&Cool」といったキラーチューンを惜しみなく連発。今の時代にロカビリーブームを起こす夢に一切の偽りがないことを証明する、圧倒的なライブを最後まで繰り広げてみせた。なお、ロカフェスは2024年も2月8日に開催されることが決定。同年の夏には、渋谷公会堂でのワンマンライブ実現を夢に掲げているThe Biscatsの今後にもぜひ注目してほしい。


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取材&テキスト: 平賀哲雄
カメラマン: 白井絢香


The Biscats TOUR 2023「The Biscats」
2023年1月8日(日)
北海道 札幌cube garden
2023年1月28(土)
宮城 仙台darwin
2023年2月12日(日)
大阪 大阪Music Club JANUS
2023年2月18日(土)
福岡 福岡DRUM Be-1
2023年2月23日(木・祝)
愛知 名古屋 Electric Lady Land
2023年2月25日(土)
富山 富山MAIRO
2023年3月4日(土)
東京 渋谷 STREAM Hall

下記プレイガイドにてチケット販売中。
チケットぴあ w.pia.jp/t/thebiscats-t
e+ eplus.jp/thebiscats
ローソンチケット l-tike.com/thebiscats

4th ANNIVERSARY PARTY
2023年4月1日(土)
東京 原宿RUIDO
チケット販売中 t.livepocket.jp/e/thebiscats-4th-anniversary
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