ビートルズの遺伝子を受け継ぐ天才ポップ職人
マイク・ヴァイオラ(Mike Viola)が、ニュー・アルバム『
ポール・マッカーシー』を4月26日(水)に発表します。
パニック!アット・ザ・ディスコのブレンドン・ユーリーと、
ウィーザー、
ベック、
フォールアウト・ボーイ、パニック!アット・ザ・ディスコなどのプロデューサーであるジェイク・シンクレアとともに制作。アルバムから「ポール・マッカーシー」「ビル・ヴァイオラ」「アイ・シンク・アイ・ソウト・フォーエヴァー・プルーフ」の3曲が公開されています。
新作は、
ポール・マッカートニーに似た名前のポール・マッカーシーがもしも“5人目のビートルズ”だったら? という夢想から生まれたもの。マイクは「ポール・マッカーシーはちょっと変な作品を作っている実在するアーティストなんだけど、もしポール・マッカーシーが5人目のビートルズだったら、どうだろうと突然思いついた。ジョン、ジョージ、リンゴ、ポール、ポールだ。ビートルズがアメリカにやってきた時のイメージの中にポール・マッカーシーを置いてみた、そんなファンタジーの世界だ。“もし僕がビートルズに参加したら?”僕がミュージシャンになると決心したときも、そんなことを考えた。我ながらバカげているとも思うけど、誰でも一度は想像したりするよね(笑)」と語っています。
マイクはパニック!アット・ザ・ディスコの昨年のヒット・アルバム『
ヴィヴァ・ラス・ヴェンジャンス』(全米オルタナティヴ・アルバム第2位 / 全米ロック・アルバム第3位)の全曲の共作、共同プロデュースを手がけ、ツアーにもバンドの一員として参加しました。彼らのコラボのきっかけは、ブレンドンがバンド活動に疲れ、音楽に意欲を失いかけていたとき、マイクの2019年のアルバム『アメリカン・エジプト』を聴いて感激したこと。この人と一緒にやるしかないと、ブレンドンはマイクにアルバムへの参加を依頼したことで2人は『ヴィヴァ・ラス・ヴェンジャンス』を制作しました。そこで2人は意気投合し、今度はマイクの新作にブレンドンが参加することに。2022年夏、ロサンゼルスのマイクの自宅スタジオにてブレンドン(ds)、ジェイク(b)の3人は、スタジオ・ライヴに近いやり方で、ハーフ・インチ・テープに新作を録音しました。
ブレンドンとの関係についてマイクは「友だちのアダムが死んで、悟った(2020年4月に長年の親友で共作者だったファウンテインズ・オブ・ウェインのアダム・シュレンジャーが急逝)。あんなに素晴らしい音楽を作ったのに、彼はもう音楽を作れない。でも、僕はまだ音楽を作れる。それからブレンドンに出会った。彼は僕よりずっと若く、たくさんのヒット曲がある。文字通りに何千万枚のレコードを売ってきた。そんな彼が僕のやっていることのファンで、僕の音楽が大好きだと言ってくれる。彼が僕の子供のような頭脳に許可を与えてくれたんだ。自分の行きたいところへ行けばいい。ほかの人がどう思うかとか心配しなくていい。失敗するか成功するか、そんなことも気にしなくていいんだとね。彼がそういった許可のようなものをくれたんだ」と語っています。
アルバムにはその他、マイク曰く“ビートルズのサージェント・ペパーズ〜みたいな”架空のバンドの物語「サイエンティスト・アレクシス」(これはアダム・シュレシンジャーが思いついたバンド名だった)、若くして亡くなった最初の妻の母に捧げた美しくも心が張り裂けそうになるバラード「ラヴ・レターズ・フロム・ア・チャイルドフッド・スウィートハート」、“ブライアン・アダムスとかを思い出す80年代風のギター・サウンド”と語る「アイ・シンク・アイ・ソウト・フォーエヴァー・プルーフ」、“ウイングスのような曲”と語る「ユー・プット・ザ・ライト・バック・イン・マイ・フェイス」、そしてアルバムは次女ジョセフィーンとのコラボ曲「2023」で締めくくられます。
マイクらしいビートリーでメロディアスなナンバーとともに、マイク曰く、「ジェイムス・ギャングの『ライズ・アゲイン』とブラック・サバスの『パラノイド』の心臓部、そして白髪混じりの中年の頭の中にある子供の脳みそを使って、音のモンスターを作ろうと思ったんだ」と語るハード・ロックなナンバーも収録した新境地となっています。
マイクは2023年に10年以上ぶりとなる米国と欧州でのツアーを予定しており、来日公演が期待されます。
Photo by Zak Cassar