ハロプロ研修生による年に1度の恒例イベント〈Hello! Project 研修生発表会 2023 〜春の公開実力診断テスト〜〉が、4月30日(日)に東京・J:COMホール八王子で行われました。
恒例の「実力診断テスト」では、デビューを目指して研鑽に励むハロプロ研修生メンバーのパフォーマンスを、審査員の評価やファン投票により表彰します。今年は、ハロプロ研修生ユニット’23のメンバーを除く、
吉田姫杷、
川嶋美楓、
後藤花、
下井谷幸穂、
上村麗菜。2023年3月に加入してまもない河野空愛、牧野永愛、林仁愛の8人が既定曲から選択した「課題曲」、みずからの選曲で衣装や振り付けなどを考案した「自由曲」をそれぞれ披露しました。
なお、審査員はダンス指導の
みつばちまき、歌唱指導の上野まり子、作詞作曲家の星部ショウ、
ハロー!プロジェクトOGの
宮本佳林、
小片リサが務めました。
[ライヴ・レポート] イベントは、ハロプロ研修生ユニット’23と吉田、川嶋、後藤、下井谷、上村による「色とりどり伸びよ!!」で開幕。序盤のMCでは研修生メンバーが自己紹介し、ゲスト参加のOCHA NORMAも観客へ挨拶した。
MCのアラケンが審査員を呼び込み「課題曲」パートのパフォーマンスがスタート。トップバッターで、Berryz工房「あなたなしでは生きてゆけない」を披露した吉田は、本番までに苦手な高音を克服するべく「低い声から高い声までのリップロール(発声トレーニングの一つ)をやっていた」と明かし、上野は「高音が苦手で控えめなタイプでしたけど、今日は思い切りましたね」と評価した。続いて、つばきファクトリー「アドレナリン・ダメ」を披露したのは、林。初挑戦ながら「自分なりには上手にできたのかなと思います」と話すと盛大な拍手が起き、小片は「低音がしっかりしていて、グループにいつか入ったとき『グループを支えられるような歌声』じゃないかと思った」と、今後への期待を込めた。
3番手を務めたのは、牧野。アンジュルム「泣けないぜ・・・共感詐欺」を披露し、林と同じく初挑戦で「とても緊張しましたが、リハーサルより楽しくパフォーマンスできました」と感想を述べ、笑顔が「抜群」と評価した星部は、パフォーマンスは「トレーニングで何とでもなるし、どんどん伸ばしていけると思うので。今日の笑顔は忘れないで引き続き頑張っていただきたい」とエールを送った。次に、ごまっとう「SHALL WE LOVE?」を披露した今年初挑戦の下井谷は「強がりやプライドがあって、それでも悲しい切ない女の子の表情、表現に挑戦したいと思った」と選曲の理由を報告。宮本は「表現力がある」と絶賛し「リズムをもっと鍛えればすごくよくなるんじゃないかと思いました」と、アドバイスした。
5番手でモーニング娘。’22「Swing Swing Paradise」を披露したのは、林、牧野と共に加入まもない河野。ダンスが激しい楽曲のため「体力がないのでジムに通って、疲れづらい体を作りました」と努力を明かし、みつばちは「ダンスがすごい好きだと最初にお会いしたときから思っていて、今日は、手足を伸ばして踊っていたので今後に期待」と称賛した。続いて、ごまっとう「SHALL WE LOVE?」を披露した川嶋が、本番に向けた体力づくりのため「毎日、ランニングをやって。河川敷を走りながら、たまに人気がなければ歌を口ずさんだ」と話すと場内は笑顔に。星部は「音程、ピッチもすごくいいですし、語尾のしゃくりとか細かな節回しもできていて上手い」と絶賛した。
次に、Berryz工房「あなたなしでは生きてゆけない」を披露したのは後藤。リズムが「難しい」と感じる楽曲にあえて挑戦し「(音程の)低いところと高いところがあるんですけど、地声で頑張ろうと誓いました」と、独特な言葉で選曲の理由を報告。昨年、後藤が「リズムが課題」と話していたことを振り返った宮本は「この曲で『ちゃんとリズムを取って歌えるんだ』と思ったら、成長に感動」と吐露した。「課題曲」パートのラスト、つばきファクトリー「アドレナリン・ダメ」をパフォーマンスした初参加の上村は、「本番に備えて“プランク”をしながら歌い、マイクと同じ重さを再現した水入りの“ペットボトル”を持ってのトレーニングに励んだ」と報告。「日頃は線の細い声だが、パワフルな歌声が求められる選曲に挑戦した」と讃えた上野は「歌いながら踊るときのコントロール、それをつかむように頑張っていきましょう」と背中を押した。
審査は続き、ハロプロ研修生による「自由曲」パートへ。トップバッターを務めた吉田は白いジャケット、青のリボンとスカートのスタイルで℃-ute「まっさらブルージーンズ」を披露。衣装のポイントは「後ろに(付いた)大きなリボン」で「いとこのお姉さんが器用で、付けてくださった」と裏話を明かし、宮本は「体幹を動かしながら踊るダンスなので、声がブレやすいと思うんですけど、上手く調整して歌えていたのですごくよかった」と評価した。続いて、モーニング娘。「ここにいるぜぇ!」を選曲した河野は、黒のジャケットに、カーキ色に白いストライプをあしらったインナーとスカートを合わせた衣装で登場。ダンスパフォーマンス向上のためストレッチに励んでいると伝え、「プロデュース力がある」と評価した小片は「お客さんを楽しませるアイドル性があると感じたので、場数を踏んでいけばもっともっとよくなるんじゃないかと思います」と期待を込めた。
続いて、℃-ute「悲しきヘブン」を歌い上げた川嶋は、黒を基調としたノースリーブのシックなスタイルでパフォーマンス。衣装のポイントであるアクセサリーについて「舞台に立つと両手のキラキラとか、トップスのキラキラとか、飾りのキラキラがピカピカ見えて、本物の衣装みたいな感じ」と話すと、場内が笑顔に。昨年からの1年間で「安定してきた」と語ったみつばちは「もうちょい大きくステージをどう使うかまでを考えると、よさが出てくる」と、課題を示した。4番手を務めた下井谷は、℃-ute「アダムとイブのジレンマ」を披露。白いフリル付きの黒いワンピースでパフォーマンスを繰り広げ、歌唱面で「色んなニュアンスを出し始めた」を評価した上野は「ダンスと歌を両立させていったら、もっと上手くなるはず」と期待を寄せた。
モーニング娘。’21「ビートの惑星」を選んだ林は、楽曲の世界観にちなんだ宇宙柄のワンピースで登場。衣装は「お母さんに作ってもらいました」と明かし、星部は「声の密度がギュッとしていて、いい声で。この曲、サビがずっと高いんですけど、ずっと張っていましたよね」と歌唱面のポテンシャルに感嘆していた。続く後藤は、白いリボンとワンピースのスタイルでモーニング娘。「Be Alive」を披露。「こういう時代、気持ちが下がってしまう時代に歌って、みなさんの心がハッピーになればと思い歌いました」と選曲の理由を伝え、小片は「人の心を動かすってこういうことを言うんだなと感じられた時間」だったと話し、さらに勉強すれば「もっと素晴らしい歌声になるんじゃないか」と思いを巡らせた。
黒がベースで、インナーに赤をチョイスしたスポーティな衣装で、モーニング娘。「恋愛レボリューション 21」を歌い上げたのは牧野。衣装は原曲のMVにヒントを得たと話し、日頃、メンバーに「マイクホールドを厳しく教えていく」と舞台裏を明かしたみつばちは「(牧野は口元より下でマイクをホールドしても)声が通るんですよ。マイクホールドができてきたときには『ちょっと怖いな』と思うくらい、(声が)乗るんじゃないかと思います」と将来性に言及した。「自由曲」パートのラスト、水色のドレススタイルで、Juice=Juice「雨の中の口笛」を披露した上村は、タイトルになぞらえ「雨の中をイメージ」したと衣装のポイントを解説。パフォーマンスから「研究熱心」な姿勢が伝わったと話した宮本は、この先「哀愁みたいなものが出せるようになると、さらによくなる」とアドバイスした。
緊張のパフォーマンス終えて、ファン投票に。結果発表を前にして、宮本、小片、OCHA NORMAが堂々としたステージを展開し、ハロプロ研修生ユニット’23やハロプロ研修生の面々もフレッシュな歌とダンスで会場を盛り上げた。
イベントの時間も残りわずかとなり、いよいよ表彰結果を発表。今年は、後藤が準ベストパフォーマンス賞に、最多の1,318票を獲得した川嶋がベストパフォーマンス賞に輝いた。
涙をこらえた後藤は、昨年から1年間の課題にあったリズムを克服するべく、毎日「リズム練習」に励んでいたと吐露。喜びを噛み締めつつ「『今日、泣かない』とマネージャーさんと約束しているので」と明かすと場内に笑いが起き、本番当日は「みなさんの心に届くパフォーマンスができたらよかったなって思ったのと、今日、みなさんの中で私がアイドルになれていたらいいなって思います」と伝えた。
川嶋は言葉を詰まらせながら「自由曲」で選んだ「悲しきヘブン」披露のために「ダンスと歌を両方できるように頑張った」と回顧。本番前夜までは「ちょっと不安な気持ちもあった」と明かし、先輩やファンからの励ましにも支えられながら「ベストパフォーマンス賞を取ることができてうれしかったです。努力をしたらできるとみなさんに伝えられたり、今回の目標は『新しい私を見せちゃう』ということだったので、それができていたら光栄だなって思います」と感謝を述べた。
様々なドラマが生まれた、2023年の「春の公開実力診断テスト」も終幕。ハロプロ研修生メンバーは「よろしくお願いします!」と元気よく挨拶し、笑顔でステージをあとにした。彼女たちは今後も、定期公演〈Hello! Project 研修生発表会〉などを通して成長を遂げる。[受賞一覧]ベストパフォーマンス賞: 川嶋美楓 1,318票
自由曲「悲しきヘブン」
課題曲「Shall We Love?」
準ベストパフォーマンス賞: 後藤花
自由曲「Be Alive」
課題曲「あなたなしでは生きてゆけない」