昨年のアルバム『
FOREVERANDEVERNOMORE』が絶賛されたブライアン・イーノ(Brian Eno)が、コンサート・シリーズ「Ships」を開催します。このシリーズは、イーノの長いソロ・キャリアのなかで初となるライヴ・ツアー。ヴェネツィア・ビエンナーレからの依頼で、2023年のヴェネツィア・ビエンナーレの音楽部門「ビエンナーレ・ムジカ」の中心プログラムとしてイタリア ヴェネツィア フェニーチェ劇場で10月21日(土)に行なわれる公演を皮切りに、10月24日(火)ドイツ ベルリン・フィルハーモニー、10月26日(木)フランス パリ ラ・セーヌ・ミュージカル、10月28日(土)オランダ ユトレヒト チボリブレーデンブルク、10月30日(月)英国 ロンドン ロイヤル・フェスティバル・ホールまで全7公演(ヴェネツィアとロンドンは1日2回公演)を予定しています。
出演は、イーノのほか、
クリスチャン・ヤルヴィ指揮バルト海フィルハーモニー、俳優のピーター・セラフィノウィッツ、長年のコラボレーターであるギタリストのレオ・エイブラハムズ、プログラマー / キーボーディストのピーター・チルヴァース。アルバム『
The Ship』(2016年作)のオーケストラ・アレンジでのパフォーマンスを中心に、イーノの代表曲や新曲が披露されます。
[コメント]アルバム『The Ship』は、声を駆使しながらも、特に歌という形に頼らないという珍しい作品です。これはある雰囲気の中に、時折声の主が持つキャラクターが顔を見せ、音楽によって生み出される曖昧な空間に、いつの間にかそれらのキャラクターが迷い込むような作品になっています。背景には戦時中の感覚があり、また必然性があります。またオーケストラにぴったりのスケール感、そして多くの人々が協力し合っているような感覚もあります。
私が音楽を演奏するように、演奏することのできるオーケストラを求めていました。楽譜だけでなく心で演奏するオーケストラ、若くてフレッシュで情熱的な演奏者をです。バルト海フィルハーモニー管弦楽団を初めて見たとき、彼らがそれらすべてを持っていることを確信しました。そして彼らが海の名前を冠していることに気づいたのです。それが決め手でした!――ブライアン・イーノブライアンは、私の人生の大部分において、非常に大きなインスピレーションを与えてくれた偉大なアーティストです。今、私たちが生きているこの世界を反映した作品のプレゼンテーションに取り組む機会を与えられたことは、非常に意義深く、本当に光栄なことです。
表現の自由は、このプレゼンテーションの重要な要素です。この公演に参加するすべての人は、隣の人と同じように重要です。誰もが等しく重要であり、交換可能でも使い捨てでもない。オーケストラが演奏を行うのではなく、本当の意味でバンドであり、「演奏そのもの」であることが、ブライアンと私の考えるこのコラボレーションのユニークな点です。――クリスチャン・ヤルヴィ