先月末、数々のヒット作を手掛けるアニメスタジオMAPPA初のオリジナル劇場作品『アリスとテレスのまぼろし工場』(9月15日[金]公開)の主題歌が
中島みゆきの新曲「心音(しんおん)」に決定したことが報じられました。
この映画の監督は、アニメブームの礎となった『
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』などの脚本家であり、監督デビュー作となった『
さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た
岡田麿里。中島みゆきの主題歌発表を受け、SNSを中心に“中島みゆきが初のアニメ主題歌を歌うことは勿論のこと、その主題歌がMAPPA初のオリジナル劇場作で岡田麿里監督の作品であること”が大きな反響を呼びました。
その興奮が冷めやらぬ中、この主題歌を収録したニュー・シングル「心音(しんおん)」」が9月13日(水)に発売することが発表されています。中島みゆきにとってアニメ作品の主題歌は初のことであり、今回さらにもう一つ、中島みゆきの作品では初となる“アニメの描き下ろしジャケット”も公開されました。
今回のCDジャケットに関して中島みゆきは「後日うちのスタッフがCDジャケットの描き下ろしまでお願いしたと聞いて、中島は血の気が引きました。なんという厚かましいお願いでしょう。中島、ひれ伏して御礼申し上げるばかりです」と、スタッフを叱るコメントをとおして、描き下ろしジャケットへの喜びと、実際に実現に動いてくれた岡田麿里監督と制作チームに御礼を伝えています。
そのCDジャケットで描かれているのは映画の登場人物の1人“五実”。今回の作品を支える中島の主題歌を聴いた際、岡田監督は「この物語の主人公である正宗と五実、睦実の姿が見えました。彼らはしんと冷たい世界の中で、腹の底から叫び、走っていました」とコメント。またこの描き下ろしジャケットに関して「映画本編には実際に無いシーンを歌からイメージした」と語っています。CDジャケットをよく見ると五実の瞳には涙。風に揺れる1本1本の髪、吐息、そして憂いを帯びた表情。このジャケットを見るだけで作品と楽曲が融合した唯一無二のヴィジュアルになっていることが伺えます。早く映画作品、そして主題歌を体感したくなるのも当然でしょう。主題歌のCD発売は勿論のこと、実際にこの楽曲を聴ける時が待ち遠しいばかりです。
9月15日公開の『アリスとテレスのまぼろし工場』は、突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町で中学3年生の少年が2人の少女と出会い世界の均衡を崩していく物語。“恋する衝動が世界を壊す“と銘打たれた甘酸っぱい青春物とは全力で逆走しているヒリヒリとした青春を描いた作品となっています。5月の「MAPPA STAGE 2023」で発表となったメインキャストの主人公・菊入正宗役を『
呪術廻戦』虎杖悠仁役の
榎木淳弥、正宗の同級生・佐上睦実役を『
SSSS.GRIDMAN』新条アカネ役の
上田麗奈、謎の少女・五実役を『
リコリス・リコイル』クルミ役の
久野美咲が演じることに加え、正宗の父親の菊入昭宗役に
瀬戸康史、叔父・菊入時宗役に
林遣都と、実力派俳優陣が本作に声優として参加することが発表され、さらに公開への期待感が一気に膨れ上がっています。
中島みゆきの映画主題歌と言えば、昨年の
吉岡秀隆主演、映画『
Dr.コトー診療所』の「
銀の龍の背に乗って」、2020年公開の
菅田将暉、
小松菜奈主演で話題となった映画『
糸』の主題歌「糸」と彼女の往年の名曲が映画館で流れているのが記憶に新しいところです。その中島みゆきが映画主題歌を書き下したのは2009年の
犬童一心監督作品映画『
ゼロの焦点』の主題歌「
愛だけを残せ」以来14年ぶり。どの作品も中島みゆきの歌無しには語れない映画に寄り添った楽曲となっています。そしてアニメーション映画主題歌書き下ろしは今回が初。「心音(しんおん)」が映画『アリスとテレスのまぼろし工場』にどのように寄り添っていくのかを今から楽しみにしていてください。
主題歌の発売告知に合わせて、映画『アリスとテレスのまぼろし工場』のオリジナル・サウンドトラックが9月13日(水)に発売されることも発表されました。原作、脚本、監督を務めた岡田麿里の細やかな心理描写の積み重ねによって生み出される深い人間ドラマを、幅広い感性と豊かな音楽性、そしてなによりも繊細で時には大胆な美しいメロディで支える作曲家、
横山克とのコラボレーションで完成する名シーンの数々。このサウンドトラックを聴いて、映画を更に味わってもらいたいところです。サウンドトラックの最後には岡田監督のオファーによって実現した中島みゆきによる主題歌「心音(しんおん)」も収録されているので、こちらの発売もチェックしてください。
©新見伏製鐵保存会