ニュース

ヨ・ラ・テンゴ、〈フジロック’23〉に出演 新旧セットリストで90分のステージを披露

ヨ・ラ・テンゴ   2023/08/03 13:39掲載
はてなブックマークに追加
ヨ・ラ・テンゴ、〈フジロック’23〉に出演 新旧セットリストで90分のステージを披露
 今年2月に4年ぶりのアルバム『This Stupid World』をリリースし、11月には単独来日公演も決定しているヨ・ラ・テンゴ(YO LA TENGO)が、〈FUJI ROCK FESTIVAL’23〉の初日28日のフィールド・オブ・ヘブンに出演。ニュー・アルバム収録楽曲を中心に、1993年発表の『ペインフル』収録の「BIG DAY COMING」「I Heard You Looking」、97年リリースの代表作『アイ・キャン・ヒア・ザ・ハート・ビーティング・アズ・ワン』より「STOCKHOLM SYNDROME」なども含むセットリストで、森に囲まれ会場内で最も自由な空気感を持つフィールド・オブ・ヘブンに集まった新旧ファンたちを沸かせました。

 なお、フジロック会場では完売となったヨ・ラ・テンゴのフジロック限定Tシャツは、現在BEATINK.COMにて受注予約受付中。予約受付は8月6日(日)です。

[ライヴ・レポート]
 フジロック1日目、太陽が沈み始め空が赤く染まり始めた午後7時、フィールド・オブ・ヘブンに登場したのは、アメリカのインディーズ・スリーピース・バンド、ヨ・ラ・テンゴだ。2013年以来、10年ぶりのフジロック出演のベテラン・バンドである。USのインディー・バンドと聞くと、ゆるさ、危うさ、それらを上回る期待を抱く。ヨ・ラ・テンゴはまさにそんなバンド。ネオ・サイケデリック・バンドとも表現される彼ら。そのノイジーなサウンドは都会でも自然の中でもマッチする。ハードでもパンクでもなく、心地よい癒しになるのだ。

 1曲目は「Sinatra Drive Breakdown」、タイトルの「Sinatra Drive」というのは、彼らの地元ニュージャージー州ホーボーケンの大通りの名前。ホームタウンであるニュージャージー州のホーボーケンは、川を隔ててマンハッタンのビル群などが見える街。「太陽が沈むにつれて月が昇るのが見える」という今回のシチュエーションにピッタリの歌詞。ノイズギターの高揚感もあって、オーディエンスは1曲目からヨ・ラ・テンゴの世界に一気に引き込まれる。2曲目の「Tonight’s Episode」は、奈良美智のLACMA(ロサンゼルス・カウンティ美術館)で行われたエキシビションの際に提供した楽曲だ。言葉の表現が難しいバンド。ヨ・ラ・テンゴってどんなバンドって聞かれたら、奈良美智のアートのようなバンドと答えるのがいいかもしれない。奈良のパンクな表情をした女の子のアートと彼らの表現は似ている点を感じる。

 苗場では珍しいほどの猛烈な暑さを食らった昼間。ギターのフィードバック・ノイズとベースのグルーヴに山から吹いてくる風が心地いい。ブレイクビーツとギターの絡みが面白い「Miles Away」、ニューヨーク・パンクのような爽快さの「Fallout」、ジョージアのタンバリンが心地いい「Stupid World」、夜空には月が光る。ジョージア・ハブレイ、アイラ・カプラン、ジェイムズ・マクニューの3人が生み出してきた常に新たなサウンドと挑戦。長きにわたる音楽活動の軌跡をたどるような夜。楽器とメインボーカルを次々とスイッチしながらの90分間。初めて聴いたオーディエンスも虜にしたに違いない素敵な夜。

 ラストの「I Heard You Looking」では、クライマックス、アイラがギターをストラトキャスターからジャズマスターに持ち替える。最後の最後、甘いトーンのサウンドを奏でながらライブは終了。アイラの「また会おう!」の言葉通り、11月には単独での公演が予定されている。彼らのサウンドが都会のステージではどう違って聴こえるのか?楽しみだ。

 この後に続いて行われた彼らと親交のある坂本慎太郎のステージで、ジェイムズが共演。坂本慎太郎とヨ・ラ・テンゴの出会いのきっかけはフジロックだった。フジロックならではのミラクルも起きた。


拡大表示


拡大表示


拡大表示


拡大表示


拡大表示


拡大表示


拡大表示

Text by 喜久知重比呂 
Photo Credit: Kazma Kobayashi


Yo La Tengoフジロック限定Tシャツ
www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13512

ヨ・ラ・テンゴJapan Tour 2023
smash-jpn.com/live/?id=3984
最新ニュース
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム
[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く
[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん
[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催
[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン
[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015