モンゴル出身で独ミュンヘン在住のシンガー・ソングライター、
エンジ(Enji)ことエンクヤルガル・エルケムバヤル(Enkhjargal Erkhembayar)が、モンゴルの伝統的民謡“オルティンドー”にジャズとフォークを独自に融合させた2021年リリースの2ndアルバム『
Ursgal』に続き、2年ぶりとなるニュー・アルバム『
Ulaan』を8月25日(金)にリリースしました。
モンゴルの首都ウランバートルで生まれ育ったエンクヤルガル・エルケムバヤルは、労働者階級の末娘としてユルト(遊牧民族の円形型移動テント)で育ち、両親からモンゴルの民謡や舞踊の伝統を学び、オルティンドーというホーミーと並び遊牧民族モンゴル人を代表する歌唱法を教わりました。2014年にドイツ人ベーシストのマーティン・ツェンカーが、ゲーテ・インスティトゥートのファンドでモンゴルにジャズ教育プログラムを持ち込んだことをきっかけに、ミュージシャンとしての道を歩むこととなり、独ミュンヘンへと移住。2020年にミュンヘン音楽・舞台芸術大学のジャズヴォーカル修士課程を卒業し、翌年にミュンヘンのレーベル「Squama」からリリースした2ndアルバム『Ursugal』は高く評価され、ロングセラー作となっています。
本作『Ulaan』は、ミュンヘンのジャズ・クインテット、
フェイザーの
ポール・ブランドルのギター、モンゴル人コントラバス奏者のムングントフ・ツォルモンバヤル(Munguntovch Tsolmonbayar)のコントラバスと、彼女のヴォーカルによる盤石のトリオに加え、ブラジル出身のドラマー、マリア・ポルトガルと、クラリネット奏者、
ジョアナ・ケイロスが参加したクインテット編成により、地に足の着いたフォークと陰鬱なジャズの融合を生み出した作品。 “文化を超えた共通体験、帰属意識と親和性への疑問”をアルバムの重要なテーマとしています。エンジは自分探しの旅を続けながら、新しい役割に適応し、成長し続けています。『Ulaan』では、これまで以上に心をさらけ出していますが、ヴォーカリストとして、バンドリーダーとして、そしてストーリーテラーとして、さらに多くのものを与えてくれるでしょう。
なお、前作に引き続き、Squamaレーベルの共同創設者でもあるミュンヘンのプロデューサー、マーティン・ブラッガーがプロデュースとミックスを担当しています。