主演・
内野聖陽(『
劇場版 きのう何食べた?』『臨場 劇場版』)、共演・
北香那(『
ペンギン・ハイウェイ』)、『
さよならくちびる』『
月光の囁き』の塩田明彦監督のオリジナル脚本で贈る映画『春画先生』が、10月13日(金)より全国ロードショー。このたび、“春画先生”こと芳賀一郎の芳賀家へ三代にわたり仕える本郷絹代を演じた
白川和子の独占インタビューが公開されています。
昨年9月に撮影を行った本作は、江戸文化の裏の華である“笑い画”とも言われた春画の奥深い魅力を、真面目に説く変わり者の春画研究者と、しっかり者の弟子という師弟コンビが繰り広げる春画愛をコミカルに描いたもの。主演に内野聖陽、ヒロインに北香那、共演に
柄本佑、白川和子、
安達祐実を迎え、『月光の囁き』、『
害虫』などの先鋭的な作品で映画ファンを唸らせてきた名匠・塩田明彦が監督・脚本を手掛けます。
春画は江戸幕府から禁止された、禁制品で表に出ないものだったからこそ、自由な創作が可能となり、とどまることを知らぬ芸術の域に達して、庶民から大名までを虜にした真の江戸時代のエンターテイメントでした。これまでその取扱いは日本映画でもタブーとされ、性器部分の描写は映倫審査でボカし加工が必要でした。しかし、本作は、映倫審査で区分[R15+]として指定を受け、商業映画として全国公開される作品としては、日本映画史上初、無修正での浮世絵春画描写が実現しました。その自由な精神を現代に映画として表現することを目指して制作された『春画先生』。「好きなものにのめり込んでいく者たちの幸せ」としての究極の“推し活”を描く異色の偏愛コメディが誕生しました。
そしてこのたび、“春画先生”こと芳賀一郎の芳賀家へ三代にわたり仕える本郷絹代を演じた白川和子の独占インタビューが公開。まずは、春画自体について、いつごろに知ったのかという質問には、「春画自体は、昔から知っていました。たしか北斎、歌麿とか著名な浮世絵師の方々も春画を書いていましたよね。ピンク映画に出演していた時代(60年代後半)に、見せていただく機会があり、その時に春画の存在を知りました。当時、私は“絵”自体が好きだったので、こういう絵があるんだ、凄いなと、感心しました。線などが凄く細かく描かれている。これって版画なの?って、今の技術では、こんなふうに描けないのではないかしら」と素直な感想を述べました。
春画には様々なジャンルがあり、男と女、女同士、タコのような化け物、化け物同士の“営み”を描いたものも多く、こうしたジャンルはピンク映画に受け継がれ、色々なジャンルを生み出し、今どきのポルノに受け継がれ、現代に至っていると言われています。そうした流れに対しては、「今のLGBTQの先駆け的なものだったんじゃないな。とても、おおらなか時代だったと思う」とコメント。
そんな白川が、今の世の中に感じていることを聞いた質問では、「今の世の中って、世知辛くなかった。(江戸時代のように)のんびりと、ゆとりを持つとか、もっとフワッとした感じでいいと思うのよね。今、かつかつし過ぎているでしょ。だから、この(春画を扱った)映画が今の時代に上映されることは、意味があると思います。しかもコメディタッチで描かれるのは、すごいですよね。深刻にならず、ハハハと笑いで吹っ飛ばすのよ」と答えました。
さらに、共演者については「一郎役の内野聖陽さんに初めて打ち合わせで会った時に、初対面にも関わらず内野さんが『レジェンドー!』と叫んで下さり、恥ずかしかったわ。そして、弓子役の北香那さんには『とにかく頑張ればいいよ』と現場で声をかけさせていただきました。控え室で先輩として、自分のここまで頑張ってきた体験を、これからの時代を担ってくれる後輩への1つのプレゼントという形で…」。そんな中、白川さん演じる本郷絹代という役は、芳賀家三代にわたり仕える、75歳の家政婦役。自身の役柄について聞かれると「絹代は、芳賀家に長く仕え、一郎(内野聖陽)に対しても恋心のような感情を持っていると思ったので、弓子(北香那)に対しても嫉妬する女心があります。若さには勝てない。フレッシュだもん。だったら中身で勝負しようと思って演じました。女同士の見えないバチバチってあるのよね。そこはぜひ見てほしいですね」と見どころについても触れています。
最後の質問として、失礼ながら目標している方はいらっしゃるのですかと聞かれると「目標は白川和子ね。もうここまで来たら、最後まで女優を全うするつもりです!」と熱い“お言葉”で意気込みを語りました。
©2023「春画先生」製作委員会