ウディ・ガスリーの娘で
アーロ・ガスリーの妹、イディッシュ語詩人アリーザ・グリーンブラットの孫でもあるノラ・ガスリー(Nora Guthrie)が、1967年、17歳で発表した唯一のシングル「エミリーズ・イルネス c/w ホーム・ビフォア・ダーク」が11月28日(火)にエム・レコードから7インチで再発されます。
「エミリーズ・イルネス」は
ビーチ・ボーイズ『
ペット・サウンズ』のような音像と、耽美的サイケデリア / アシッド・フォーク感覚が併存した根強い人気をほこる1曲。「エミリーズ・イルネス」の曲名と歌詞は19世紀の詩人エミリー・ディキンソンへあてたオマージュといわれ、ジャケットのノラの写真もディキンソンの時代世界を思わせます。この曲を書いた当時18歳のエリック・アイズナーは彼女のボーイフレンドで、
フィフス・アヴェニュー・バンドの前身となる
ストレンジャーズで
ピーター・ゴールウェイと一緒に活動していました。エリックとノラは当時
ジョアン・ジルベルト(と
アストラッド・ジルベルト)に夢中で、「エミリーズ・イルネス」にもカップリング曲の「ホーム・ビフォア・ダーク」にもその影響を聞き取ることができますが、なによりも歌手として素人のノラに歌わせたことでミラクルが生まれています。録音面では職業音楽家のアーティー・シュロックが印象的なハープシコードや弦楽器を入れてメランコリックな世界を演出しました。
エム・レコードはこの7インチを2009年に一度発売しており、14年ぶりのリプレスです。今回の再発では装丁デザインを刷新し、レーベル面 / ジャケット方式を変更。さらに2009年版に掲載できなかった貴著写真や歌詞を掲載した新仕様での発売です。