ロベルト・ロッセリーニ監督の代表作として名高い傑作『神の道化師、フランチェスコ〈デジタル・リマスター版〉』の公開が決定、12月22日(金)より東京・新宿シネマカリテほかにて全国順次ロードショー。この度、公開決定と併せてメイン・ヴィジュアルが公開されています。
本作は、『
無防備都市』、『
戦火のかなた』などでイタリア・ネオリアリズモの巨匠と称されるロベルト・ロッセリーニが、アッシジの聖人フランチェスコと彼を慕う修道士たちの事績を、ユーモラスな描写も交えながら峻厳なスタイルで撮り上げた1950年の
作品。14世紀頃に精選された名詩選「聖フランチェスコの小さい花」と「兄弟ジネプロ伝」から着想を得て、1210年から1218年までのエピソードを、導入部と9つの章により構成、当時の生活の細部も丹念に描かれ、中世を舞台にしたネオリアリズモ映画とも謳われています。
アッシジの聖人のフランチェスコについてはその後も、『
カサブランカ』でも知られる
マイケル・カーティス監督による『
剣と十字架』をはじめ、
フランコ・ゼフィレッリ監督(『
ロミオとジュリエット』)『
ブラザー・サン シスター・ムーン』や、
リリアーナ・カヴァーニ監督(『
愛の嵐』)『
フランチェスコ』と多くの監督たちがその生涯を描く作品に取り組んでいますが、ロッセリーニは偉人伝としてではなくある時代を生きた生身の人間を実直に描くことに徹しています。脚本はロッセリーニと
フェデリコ・フェリーニの共同執筆。撮影は『
戦火のかなた』、フェデリコ・フェリーニの『道』、『甘い生活』などで数々の名作を世に送り出してきたオッテロ・マルテッリ。音楽はロベルトの弟で数々のロッセリーニ作品の音楽を手がけた
レンツォ・ロッセリーニ。主人公のフランチェスコ役をはじめ彼と生活をともにする修道士は、実際のフランシスコ会修道士たちが演じています。
聖人フランチェスコ、そして彼と日々を共にするお人よしのジョバンニ、単純素朴なジネプロなど「小さき兄弟」たちの、苦悩と逡巡のなかにありながらもどこか伸びやかに生きる姿を映し出す本作。公開されたメイン・ヴィジュアルでは、“聖フランチェスコが肩にとまった小鳥に話始めると他の鳥たちも聞き入った”という一幕から、穏やかな表情で小鳥に優しく語りかけるフランチェスコの様子を見ることができます。
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映画『神の道化師、フランチェスコ〈デジタル・リマスター版〉』2023年12月22日(金)より東京 新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
francesco-gd.com配給: コピアポア・フィルム / lesfugitives