吉田修一による“現代の黙示録”とも言うべき傑作同名小説を、『
日日是好日』、『
星の子』、『
MOTHER マザー』の
大森立嗣が監督・脚本にて映画化した『湖の女たち』。第35回モスクワ国際映画祭で日本映画48年ぶりとなる審査員特別賞の快挙を始め、数々の国内賞を受賞した映画『
さよなら渓谷』のタッグが満を持してここに実現しました。ダブル主演となるのは、事件を追う刑事・濱中圭介役を演じた
福士蒼汰と、事件が起きた施設の介護士・豊田佳代役を演じた
松本まりか。事件が混迷を極めるなかで、特殊な関係に溺れて行く刑事と容疑者という難役に挑んでいます。この度、恐るべき事件に絡みあう複雑な人間模様……待望の全キャスト陣が発表。さらに、本作の公開が2024年5月に決定しました。
先日、濱中圭介(福士蒼汰)と豊田佳代(松本まりか)の謎めいた関係を収めたファースト・ヴィジュアルと超特報が続けて公開され、その恐ろしくも美しい世界観が話題となっている本作。この度、ダブル主演の福士と松本に続き、全キャストが発表されました。福士演じる圭介を部下に、事件の容疑者を激しく追い詰めるベテラン刑事・伊佐美を演じるのは
浅野忠信。真実を追求する正義感あふれる刑事でしたが、過去に起きた事件の闇に囚われ、圧迫捜査も厭わない恐るべき刑事像を圧倒的な迫力で見せつけています。粗悪なベテラン刑事に翻弄される若手刑事というコンビで、本作が初共演となる福士蒼汰との共演シーンからも目が離せません。
そして、事件の真相に迫っていく週刊誌の若手記者・池田由季を演じるのは
福地桃子。700人規模のオーディションを勝ち抜き池田役に抜擢された福地桃子は、真実を追いかける若手記者の使命感を瑞々しくかつ感傷的な眼差しで見事に演じ切っています。
松本演じる佳代と同じ介護施設で働き、浅野演じる伊佐美の強引な取り調べにより心身共に追い詰められる介護士・松本郁子には
財前直見。苦しみに耐え、胸がつまる姿を圧倒的なリアリティで見せます。さらに、池田が事件について調査していくうちにたどり着くのは、本事件で殺された100歳の老人の謎めいた妻・市島松江。演じる
三田佳子の静謐でありながら有無を言わさぬ存在感は圧巻です。なお、今回発表となった浅野忠信、福地桃子、財前直見、三田佳子の4人は大森監督作品初参加となります。
また、合わせて公開された場面写真では、取調室で何者かに語りかける浅野、湖畔で確固たる意志を持つ眼差しでたたずむ福地、見るからにやつれた姿で苦悶する財前、そして着物姿で訪問者に対峙する三田など、影を帯びつつも凄みすら感じる人物たちの姿を見ることができます。
その他にも、
近藤芳正、
平田満、
根岸季衣、
菅原大吉といったベテラン俳優陣に加え、
穂志もえか、
奥野瑛太、
北香那、
大後寿々花といった注目の若手俳優陣が脇を固め、物語にさらなる深みを持たせています。あるひとつの事件をきっかけに、どのような人間模様が渦巻いていくのか……。まだ多くの謎に包まれた超一級のミステリー映画『湖の女たち』の続報にご期待ください。
[コメント]『湖の女たち』に出演できて本当に幸せです!
大森監督のどこまでも俳優を受け止めてくれる演出に甘えて好きなように演じさせていただきました。そしてとても魅力的な俳優の方々とも深いところでお芝居を楽しめた事は貴重な経験となりました。
是非映画館で楽しんでいただけたらと思います。――浅野忠信(伊佐美佑 役)いくつかの場面で人は本心を吐き出すことで孤独や恐怖心から解放され体が軽くなる。こうした心の拠り所というのを気付かぬうちにずっと求めているんだと感じました。
私が演じた池田という人は真実を見つめ美しい光を求めて歩き続けていました。
これまで見てきた私が思う記者像というのとは少し違った感覚があり、学びが多くありました。――福地桃子(池田由季 役)人間の傲慢さ、欲望、儚さ、あやまちなど、どちらかといえばマイナスな部分をさらけ出し、湖がそのすべてをつつみこんで癒してくれる…そんな映画だと感じました。
大森監督と御一緒させていただいたのは初めてでしたが、自由にお芝居させていただき感謝しております。
刑事さんたちの執拗に追い詰める厳しい取り調べには、心が折れそうでしたが、それでも楽しい日々でした。
素晴らしい監督の演出と俳優さん達の演技、見応えある美しい景色と物語に、時間を忘れ魅了されてしまうと思います。――財前直見(松本郁子 役)「90歳を越えたであろう老婦人」という思いもかけないオファーに少し戸惑いを感じた私ですが、原作が吉田修一氏、監督が大森立嗣さんであることを知り、後先を考えずに出演を決めてしまいました。
そして、この謎に満ちた老女もまた「湖の女」だったということが、演じる私にとって大きな魅力となりました。
福士蒼汰さん、松本まりかさん、浅野忠信さんと役で出会うことがなかったことが、ちょっぴり残念。
映画「湖の女たち」。熟成されたワインの様な大森監督の世界を、私も楽しみに味わいたいと思います。――三田佳子(市島松江 役)©2024 映画「湖の女たち」製作委員会