オペラを通した創造発信、オーケストラと連携した自主事業の充実や、知られざる作品・日本で上演機会の少ない名作を発掘し、取り上げることを目的とし、2013年から続く人気シリーズ〈東京芸術劇場コンサートオペラ〉。本シリーズの次回公演が、2024年2月17日(土)に東京芸術劇場 コンサートホールにて、
オッフェンバック作曲の喜歌劇『美しきエレーヌ』を上演します。
プロの音楽家による上演はおそらく今回が日本では初めてとなる『美しきエレーヌ』は、欧州では頻繁に上演され、舞台を収めた映像作品がいくつもあるほどオペラファンから愛されている作品。オッフェンバックがたどり着いた「オペレッタの文法」的作品であり、ギリシャ神話、トロイア戦争の物語をパロディ化し、人妻の不倫や社会的地位のある人々の放蕩ぶりを風刺しています。1864年の初演は「伝説に残る大勝利」(アラン・デュコー)だったといい、主役のエレーヌを演じたオルタンス・ジュネデールの人気を不動のものとしました。粋な風刺と笑いと愛の物語、それを彩る耳なじみの良い美しい音楽が、2月の公演では演奏会形式で楽しめます。
タクトを振るのは、東京芸術劇場のオペラ制作の現場を支え続けている辻博之。台本・構成演出は、ウィーンを拠点に演出家としての実績を着実に重ねる佐藤美晴。キャストには、タイトル・ロールの
砂川涼子、パリスを演じるテノールの工藤和真をはじめ、実力派歌手が揃っています。