本年度の第95回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートをはじめ、世界の映画賞で42受賞、60超ノミネート(11月9日時点)の快挙を果たしたアイルランド映画『The Quiet Girl(英題)』が、『コット、はじまりの夏』として、2024年1月26日(金)より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町、東京・新宿シネマカリテ、東京・渋谷ホワイトシネクイントほかにて全国ロードショー。この度、居場所を見つけたコットが生き生きとしていく姿を映し出す予告編映像と場面写真が公開され、音楽家の
青葉市子がナレーションを担当することが発表されています。
1981年、夏のアイルランドを舞台に、9歳の少女コットの成長とはじまりを描いた本作は、『
わたしは最悪。』、『
燃ゆる女の肖像』など若く作家性の強い才能をいくつも世に送り出して来た気鋭のスタジオ・NEONが北米配給権を獲得。海外で「この数年で最も胸を打つ映画」(Rolling Stone)、「映像は歌うように美しいだけでなく、息を吹き込んでいる」(New Statesman)、「なんとも優しい宝石のような映画。絶妙な小津風の映像と演技に感動し最後に涙する」(
マーク・カズンズ / 映画監督)、「自分の声を見つけることを描いた詩的な作品」(Empire Magazine)と評され、多くの映画人や映画ファンを魅了しています。
監督・脚本は、これまでドキュメンタリー作品を中心に子どもの視点や家族の絆を誠実に映し出してきたコルム・バレード。長編劇映画初監督となる本作で、コットがキンセラ夫婦との生活の中で初めて触れた深い愛情、自己を解放し成長していく姿を静かながらも丁寧に描き切りました。さらに、本作で鮮烈デビューを果たした主人公コット役のキャサリン・クリンチは、史上最年少の12歳でIFTA賞(アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞)主演女優賞を獲得。その圧倒的な透明感と存在感で、寡黙だった少女が生きる喜びにあふれていくさまを、繊細な演技で見事に表現しています。
公開となった予告編では、大家族の中で孤独に暮らす9歳の少女コットが、赤ちゃんが生まれるまでの夏休みを親戚のキンセラ夫婦に預けられるシーンからはじまります。「お父さんが好きなだけ預かっていいって」と言うコットに、「喜んで預かるわ」、「辛い時は話さなくていい」と温かく迎え入れるキンセラ夫婦。2人の愛情をたっぷりと受け初めて生きている実感に包まれたコットはやがてその表情も明るく変化、自分を解放し力強い瞳で農場を走る様子が印象的に描かれています。
ナレーションを担当するのは、その透明感あふれる歌声と唯一無二の表現で国内外に多くのファンをもつ、音楽家の青葉市子。緑豊かな田舎の美しさ、木々の間からのぞく陽の光のあたたかさといった、コットを優しく包み込む映像美とともに、「やっと見つけた、私の居場所」というナレーションが切なくも希望を感じさせる90秒となっています。
あわせて場面写真も公開。俯いたまま表情の見えないコットや、おじさんのショーンと子牛の世話に挑戦したり、キンセラ夫婦に買ってもらった洋服をうれしそうに披露する様子など、さまざまなシーンが切り取られており、孤独で感情を内に秘めていたコットが愛情をたっぷりと受け、生き生きと変化していく様子が感じられる内容となっています。
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