米・ロサンゼルスを拠点とするバンド、ミルドレッド（Mildred）のアルバム『Pt.2 Deluxe Edition』が、2024年1月5日（火）に国内外のエモ、ハードコア、スクラムズ、ポストハードコアを中心にリリースする日本のレーベル「3LA -LongLegsLongArms Records」よりリリースされます。

　シューゲイズ＆ノイズの轟音、激情ハードコアの叫び、US地下シーンで人知れず紡がれる巨大激情叙事詩“ミルドレッド”。インターネットで出会った、共通の興味と音楽を作りたいという願望を持ったものたちにより形成されました。USでは既に若い世代で多くのバンドが生まれており、もはや旧来とは別のシーンを形作りつつあり、人気を集める者や、圧倒的にアンダーグラウンド思想を突き詰めていく者が必然的に現れる状況において、Mildredはその後者にあたります。シューゲイズ、スロウコア、ノイズロックといったジャンルを、ポストロックと激情ハードコアで縦断していくサウンドには彼らの仲間内で共有された思想が色濃く反映。フォークナーやバースデイ・パーティー、マッカーシーやバンバラまで、南部ゴシックの文学や音楽……多くの音楽からの影響を公言する中で、ダイトロやブラインド・ガールズといったバンドも挙げており、skramz思想も多分に含まれた音楽性は、「市民的不服従とオカルト的実践というアナーキーなイデオロギーの再構築」と自らを定義。2020年代USの暗部、未来を奪われている貧困層の若者の視点から歌われる言葉、紡がれていく物語は華やかな現行インディロック・シーンとはまるで違う陰鬱な世界観であり、不運にも現代日本にも共鳴してしまうものがあります。

　ミルドレッド自身のwebサイトには、身に降りかかる病、臨死体験、仲間を救うための出会い系詐欺、それらの体験を反映させた哲学的・政治的物語など、更に膨大なテキストが綴られており、『Pt.2』はその集大成。「3LA -LongLegsLongArms Records」は、2022年に制作された本アルバムの本編に加え、同セッションのアウトテイク的『Pt.Neither』も収めて、日本盤限定デラックス仕様の『Pt.2 Deluxe Edition』としてCD化（歌詞対訳付）しました。

　なお、「3LA -LongLegsLongArms Records」のnoteでは、リリースに向けた、ミルドレッドへのインタビューが掲載されています。その音楽的思想からUS貧困層の若者たちの生々しい体験までが語られており、必見の内容です。