ニュース

ティーレマン指揮ウィーン・フィル、ニューイヤー・コンサートから3曲を先行デジタル・リリース

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団   2024/01/05 18:12掲載
はてなブックマークに追加
ティーレマン指揮ウィーン・フィル、ニューイヤー・コンサートから3曲を先行デジタル・リリース
 クリスティアン・ティーレマンを指揮に迎え、元旦にオーストリア・ウィーンのムジークフェラインザールで行なわれたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートから、「ブルックナー:カドリーユ WAB 121」「ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『美しく青きドナウ』作品314」「ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲」の3曲が1月5日に先行デジタル・リリースされました。アルバム全曲は1月12日(金)に配信予定。輸入盤CDは1月19日(金)、国内盤CDは1月24日(水)、国内盤Blu-rayは2月14日(水)発売。そのほか、輸入盤のDVD、Blu-ray、LPも発売されます。

 2019年以来、2度目の出演となったティーレマンが指揮する今年のニューイヤー・コンサートは全世界90ヵ国で中継(一部の国では録画放送)され、地元オーストリアではテレビの視聴率が60%に達しました。日本では地震関連のニュースのため放送時間が変更され、NHK Eテレでは1月6日(土)14時から、NHK-FMでは1月8日(月・祝)16時から放送されます。

 今年のニューイヤー・コンサートでは、ティーレマン自身が年末の記者会見で述べた「ここ数年で強化されたウィーン・フィルとの絆と大きくなった相互の信頼関係」を強く感じさせる、息の合った華やかな演奏が繰り広げられました。毎年注目される初登場曲は、公式演目15曲のうち9曲。初登場曲の目玉は、2024年に生誕200年を迎えているブルックナーの作品で、リンツ時代に作曲したピアノ曲にヨーゼフ・ランナー協会のヴォルフガング・デルナーがオーケストレーションを施した「カドリーユ」でした。ニューイヤー・コンサートでブルックナーの作品が取り上げられるのはこれが初めて。ティーレマンといえばブルックナーの交響曲を十八番とする巨匠であり、昨年10月にはウィーン・フィルとの共演で交響曲11曲を収めた全集録音をソニークラシカルから発表したばかり。シンフォニスト・ブルックナーとは思えないチャーミングな作品にも、指揮者・オーケストラと作曲者との親和性が息づいていました。

 またヨハン・シュトラウス2世の遺作「イシュル・ワルツ」は、風光明媚なリゾート地として知られ、ヨハン2世も含む名士たちがこぞって訪れたバート・イシュルが、今年の「欧州文化首都」に選ばれていることにちなんで取り上げられました。またウィーンの上水道開設(1873年)を機に作曲されたエドゥアルト・シュトラウスのワルツ「山の湧水」は、地球規模の課題である環境保護の重要性を訴えるべく演目に組まれ、ウィーン・フィルからオーストリア・アルプス協会の環境保護プロジェクトに10万ユーロが寄付されたことが発表されています。

 ウィーン・フィルとゆかりの深いヘルメスベルガー2世のバレエ曲「イベリアの真珠」の間奏曲「学生音楽隊のポルカ」は、その前の「新ピチカート・ポルカ」とともに、ニューイヤー・コンサートの選曲時にティーレマンが「ピチカートの入った曲を演奏しよう」という希望を受けて選ばれたものです。

 アンコールは人気のポルカ・シュネル「騎手」のあと、定番の「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」。前者の演奏前にはティーレマンがいつもより長めのスピーチを行ない、後者では客席が一丸となった拍手をティーレマンが巧みにコントロールして、華やかにコンサートを締めくくりました。また同時にヨハン2世の生誕200年アニバーサリーとなる2025年のニューイヤー・コンサートの指揮者がリッカルド・ムーティであることも発表されました。

[アンコール時のスピーチ]
戦争や不寛容によって引き裂かれた世界はとても不愉快なものです。本日、皆様が聴いておられるとても美しい音楽は、人々の気持ちを変えてくれるでしょう。時には感傷的で、時には大げさなくらい感情を際立たせた、素晴らしく変化に富んだこれらの音楽について、皆様がそれぞれの思いを抱かれておられると思います。それらについてどう考えるか、何を望むかは、すべて皆さんひとりひとりに委ねられています。それでもこのホールにいるほとんどの人の考えや望みは一致していると思います。それゆえに、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と私はみなさまにこうして新年のご挨拶を申し上げます:あけましておめでとうございます。
――クリスティアン・ティーレマン

©Heinz Peter Bader

ブルックナー:カドリーユ WAB 121
sonymusicjapan.lnk.to/NewYear_QuadrilleWAB

ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ「美しく青きドナウ」作品314
sonymusicjapan.lnk.to/NewYear_DonauWalzer

ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 作品228
sonymusicjapan.lnk.to/NewYwar_Radetzky-Marsch
最新ニュース
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム
[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く
[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん
[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催
[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン
[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015