『ミッドナイトスワン』で世界中の人々の魂を激しく揺さぶり各界から絶賛、日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した
内田英治監督によるオリジナル脚本で、主演・
山田涼介、共演・
浜辺美波で贈る『サイレントラブ』が1月26日(金)に全国公開。今回、内田監督の熱烈オファーで音楽制作に迎えた
久石譲によるオリジナル楽曲「Silent」の制作秘話と監督メイキングカットが公開されました。
主人公、蒼(あおい)を演じるのは、今回がラヴ・ストーリー映画初主演となる山田涼介。声を発することをやめた不器用な主人公を繊細に演じ、新たな境地で魅せます。そして不慮の事故で目が不自由になり、絶望の中でもがくピアニスト志望の音大生・美夏(みか)役を努めるのは、浜辺美波。蒼と出逢うことで絶望の淵から希望を見出していく難しい役どころを演じ切りました。さらに、美夏の通う音楽大学で非常勤講師を務める北村には若手実力派俳優の
野村周平。蒼から自分のふりをして美夏のためにピアノを弾いてほしいと頼まれたことから、人生が変わってしまう北村の心情を表現。話題性と実力を兼ね備えたキャスト陣が、“世界でいちばん静かな”ラヴ・ストーリーを送り出します。
また音楽は、『
風の谷のナウシカ』、『
千と千尋の神隠し』などスタジオジブリをはじめとした作品で音楽を担ってきた久石譲が担当。「役者さんの表情や、内面の気持ちの変化だけでストーリーが進んでゆく。優しさや怒りや悲しさが、音楽によって静かに奏でられてゆく」作品を作りたいと願った内田監督が、極限までセリフを削ぎ落とした映画作りに挑んだ本作で重要な出演者となる“音楽”を、指揮者としても活躍し、先ごろプロオーケストラ・
日本センチュリー交響楽団の音楽監督に就任することが報じられた久石に託しました。オリジナル楽曲として制作された美しくも切なさを感じさせる旋律の「Silent」は、物語に絶大なアクセントを与えています。
今回の久石の起用が自らの熱烈なオファーがきっかけであったと明かす内田監督は、映画の制作を始める前には雑誌の記者として働いていたこともある異色の経歴を持ち、当時実際に久石へインタビューも実施していたのだとか。「僕が久石さんの音楽に出会ったのは、北野武監督の作品です。特に『あの夏、いちばん静かな海。』の音楽にすごくしびれて、それ以来ずっと聴き続けています。記者をやっていた頃に憧れからインタビューをさせていただいたのですが、その時に『いつか映画監督になったら音楽を作っていただきたい』とお話しして、25年が経ちました。今回、ダメもとで久石さんにお願いしませんかとプロデューサーサイドに持ち掛けました。結果、快く引き受けていただいて、本当に感慨深いです」と、奇跡のタッグの実現に喜びを語っています。
内田は、久石と何度も打ち合わせを重ねたそうで、「作り手の話を聞きたいという方なので、実際にお会いしてたくさんお話をさせていただきました。キャラクターの性格から物語の背景、なぜ僕がこの作品を作ろうと思ったのかまで、いろんな話をしました。そして、このシーンのここからここまで、どういう音楽がほしいかと結構詳細に決めました。曲が上がってからも、『勢いが出て2パターン作ってみたのだけれど、どっちがいいと思う?』と聞かれるなど、非常にフラットな方でした。映画音楽に対するパワーが、世界の巨匠というより20代のフレッシュな新人作曲家のようなイメージでした」と、その制作過程や久石の楽曲制作の様子を振り返ります。さらに「収録は生演奏だったのですが、収録中もシーンを流しながら、出演者の感情に寄り添っていくということに重きを置いてらっしゃいました。お仕事をご一緒して、本当に素晴らしい作曲家だと改めて感銘を受けました」と収録時のエピソードも明かした上で、完成した楽曲を初めて聞いた際には「感動しました。ひとつは久石さんの音楽が、自分の撮ったシーンにかかっているというミーハーな感動です。ずーっと本当に好きで、普段も聴き続けてきた音楽家ですので」と興奮を隠しきれない自身の心のうちを吐露。さらに「もうひとつは、久石さんの音楽を羅列した時の総合的な完成度です。映画1本にはめ込んでみると、ひとつの世界が出来上がっているという感動です。映画が総合芸術であるという所以を、思い返した瞬間でしたね。久石さんの音楽は、効果音などいわゆる映画的な手法との融合性も高いですね。ミニマル・ミュージックがベースで、フルオーケストラで映画を盛り上げるという音楽とは真逆の世界の方なので、本来は効果音や撮影技法などに、あまり寄り添うタイプの音楽ではないと思わせつつも、久石さんが作るとなぜかぴったり合ってしまう。まさに、久石さんにしかできない世界観だと思います」と、久石の作り上げた音楽を絶賛しました。
さらに、この“久石にしか作れない世界観”により磨きをかけたのが“かてぃん”の名で知られるピアニスト、
角野隼斗。角野は登録者数が130万人を超える自身のYouTubeのチャンネルで久石の楽曲を演奏した様子をアップしたり、久石の娘である歌手の麻衣とコンサートで共演するなど、久石本人とも親交を深めている新進気鋭のピアニストで、今回、久石からの直々のオファーにより、オリジナル楽曲「Silent」のレコーディングに、活動の拠点であるニューヨークから当初の予定を早めて帰国して参加。もう一つの奇跡のタッグが実現しました。久石からのオファーを受けた際には「久石さんは自分が幼いころから大好きな作曲家でしたので、オファーをいただいて純粋にとても驚きましたし、とても嬉しかったです」と当時の喜びを語っています。当日は久石立ち会いのもとレコーディングに挑んだそうで、「久石さんの作品の世界観を崩さないことに徹しようとしていたのですが、角野くんらしさを出してもらって良いよと言ってくださり、特に中盤の軽やかな部分は自由に演奏しました」と、憧れの久石の一言によって自由に楽曲を作り上げる事ができたと回想。そして実際に完成した楽曲がその世界を彩る本作品を見た感想を、「美夏がこのテーマ曲を演奏をするシーンでは、シンプルな旋律の中に秘めた確固たる彼女の決意のようなものを感じました。自分がピアニストとして生きていくことを決めた時の心境とも重なり、胸が熱くなりました。関わることができて光栄です」と絶賛コメントを残しています。
なお、既に報じられている通り、主題歌「ナハトムジーク」は、幅広い世代から絶大な支持を得ている
Mrs. GREEN APPLEが本作の為に書き下ろし。内田監督自らが生み出したオリジナル脚本のラヴ・ストーリーと、そこにマッチする世界観を作り上げた久石の音楽、さらにはそれを見事なまでに演奏し形と成した角野の絶妙なマリアージュが実現した本作にさらなる期待が高まります。
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