今月6日に逝去した世界的指揮者・
小澤征爾さんへの感謝の想いを込めて、ニッポン放送で追悼特別番組が放送されることが決定。
ナビゲーターを務めるのは、フリーアナウンサーの
有働由美子。長年にわたり小澤さんと交遊があった有働のナビゲートで、小澤さんの挑戦と情熱の音楽人生をリスナーへ届けていきます。
この追悼特別番組は、『ありがとう、小澤征爾さん』と題し、楽曲や過去放送音源をオンエアしながら、新たに構成。開局以来、ニッポン放送と小澤征爾さんの縁は古く、『新日鉄コンサート』(1955年〜2005年)、ラジオドキュメンタリー『先生、小澤です…齋藤秀雄の遺したもの』(2002年)、オーディオ・ドラマ『ボクの音楽武者修行』(2020年)など、長きに亘り音楽番組を牽引、様々なシーンでご尽力いただいてきました。中でも、2020年にニッポン放送開局65周年企画として放送されたオーディオ・ドラマ『ボクの音楽武者修行』は、小澤さんが20代の頃に経験した欧米での奮闘記を綴った大ベストセラーエッセイをオーディオ・ドラマ化したもので、俳優・
本木雅弘がナレーションを務めて話題を呼んだ名作。55分を超えるこのオーディオ・ドラマも今回の特別番組でノーカットでオンエアします。
[コメント]カラヤンにも、バーンスタインにも師事した最後の大音楽家。でも当のご本人は、ご自身の実績や努力について語ることを苦手とされていました。そんな征爾さんに許可をいただいて密着取材したNHK『100年インタビュー・指揮者 小澤征爾』という番組で、「指揮者とは何か」をとことん問わせていただきました。「そんなこと初めて聞かれたなあ」クラシックド素人のわたしの無知な質問をおもしろがってくださって、じっと宙を見ながら言葉をさがしてくださいました。西欧音楽の世界でアジア人がトップ指揮者になれたことについて『才能よりも勤勉、根性』とおっしゃった言葉も思い出されます。公私ともに仲良くさせていただき、今もまだ小澤征爾さんのあの身体が声がここにいないと思うと悲しみが襲ってきますが、ひとたびその演奏を聴けば、そこに征爾さんがまさしく生きておられる、それが音楽なんだとも改めて気づかされます。そんな小澤さんの音楽をともに味わえる時間をご一緒できること心から感謝します。――有働由美子