富山県在住の新人俳優・中川聖菜を主演に抜擢し、生きることを諦めかけた少女の人生最期の一日に、数奇な人々との出会いで変わってゆく主人公をあたたかみのある映像で描いた映画『祝日』が、5月10日(金)に富山先行公開、5月17日(金)に全国公開されることが決定。あわせて、キャスト、ポスター、予告編、場面写真などが一挙公開されています。
2022年公開の映画『幻の蛍』でデビューを果たした富山県出身の映画監督・伊林侑香と、第33回フジテレビヤングシナリオ大賞で佳作を受賞した伊吹一が再タッグを組んだ本作。不合理で生きるのが苦しい世界。普通に生きることが難しい世の中で、なお生きる希望はあるのか、という人生の課題をオリジナル脚本にしたため、家庭や学校など難しい今の環境で育つ学生たちの問題をモチーフに「生きること」を考える現代に相応しいテーマのオリジナル作品となっています。キャスティングには、新人俳優・中川聖菜のほか、
岩井堂聖子 、
西村まさ彦 、中島侑香、
芹澤興人 ら実力派の俳優陣が脇を固め、撮影には『幻の蛍』に参加した富山出身スタッフが多数集結し、全編オール富山ロケを敢行しました。
主人公の女性・奈良希穂を演じるのは撮影地の富山で200人以上のオーディションを見事に勝ち取った中川聖菜。制作陣はその場でこの物語の世界観を体現できる確信を得たと語っています。希穂とともに最期の1日を過ごす自称天使役には岩井堂聖子。『
妖怪大戦争 』『
シムソンズ 』『
フィッシュストーリー 』と確かな演技で存在感を発揮し、同じ富山を舞台にした『
真白の恋 』(本作の製作を行なっている
坂本欣弘 監督作品)で第32回高崎映画祭 最優秀助演女優賞を受賞している彼女は、“希穂とずっと一緒にいた天使”だったが人間の身体を持ったことで翌日には死を迎えてしまうという微妙な役どころを見事に演じています。そして2人が出会う、へんてこな人達として、富山県が生んだ名優西村まさ彦が、生き別れた幼かった娘に再会できる日を夢見るマジシャン役として登場。西村は、『
ラヂオの時間 』(93 /
三谷幸喜 監督)で第21回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞受賞後、数々の映画、舞台、TVドラマで活躍する一方、全国各地で演劇を通じた地域振興事業に参画するほか、故郷富山で俳優養成講座“W.V.A”を主宰し、その座員を中心に「演劇集団 富山舞台」を立ち上げるなど後進の育成にも注力しています。
娘と妻を事故で失い喪服を脱ぐことができなくなった中華屋の店主アフロさん役の芹澤興人は、公開されたばかりの『PERFECT DAYS』の出演が記憶に新しいところ。主演した
今泉力哉 監督の『
最低 』にて第10回TAMA NEW WAVEでベスト男優賞を受賞後、さまざまなクリエイターからのオファーが絶えない名バイプレイヤーとして作品に彩りを与えます。また、忘れられない人をずっとずっと待ち続けているカフェのお姉さん役に中島侑香。『anan』や『CLASSY』などモデルとして活躍した後、近年は映画やテレビドラマへの積極的な出演で俳優としてめざましい躍進ぶりがうかがわれます。
そして、監督を務めるのは、第17回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門での公式上映の後、海外でも評価を得た初監督作『幻の蛍』の伊林侑香。監督2作目に耳目が集まります。脚本は第33回フジテレビヤングシナリオ大賞佳作に輝いた伊吹一。伊林監督とは『幻の蛍』に続き、2度目のタッグに。
主題歌は、シンガー・ソングライターの
寺尾紗穂 による「記憶」。彼女は、ピアノ弾き語りによるメジャー・デビュー・アルバム『
御身 』が話題になり、
坂本龍一 や
大貫妙子 らから賛辞が寄せられ、『
転校生 さよならあなた 』(07 /
大林宣彦 監督)、『
0.5ミリ 』(14 /
安藤桃子 監督)の主題歌を担当したほか、CM、エッセイの分野でも活躍中。さらに著作活動もしており『評伝 川島芳子』(文春新書)、『天使日記』(スタンドブックス)など、新聞、ウェブ、雑誌などでの連載を多数持ち、これからがさらに期待される才能。そのほか、音楽のモリマツコウスケ、撮影の渡辺浩章と富山県出身で全国的に活躍しているスタッフが集結しています。
[コメント] この映画が初の主演映画でした。奈良希穂を演じて、嫌なことや辛いことがあっても、命は1番大切にしないといけないということを改めて考えさせられました。 自分自身も今まで生きてきて嫌なことは沢山ありましたが、改めて命を大切にしようと考えれたのは彼女を演じる機会をいただけたからだ思っています。 このような機会をくださり、またこの作品を通して関わって下さった皆様に、感謝の気持ちでいっぱいです。そしてこの作品を是非、沢山の方々に見てもらえることを願っています。 ――中川聖菜 私自身ずっと誰かにかけて欲しいと思っていた言葉たちを携えて、 希穂ちゃんの最期の一日を一緒に過ごしました。 心が彷徨い、不確かな物事に対する明白な答えが欲しい彼女に、 天使の私が出来た事とは、一体なんだっただろうと未だに考えます。 残酷にも少女の心に漂い纏わりつく暗闇。 そこに希望という光を注ぐ、ただそれだけに情熱を燃やしました。 人生は“光と影”の対比で表現されることが多々ありますが、 この映画は“その間の物語”です。 ――岩井堂聖子 撮影では、期待はずれの天候や予想外のハプニング、常に選択と決断が求められました。その度に、スタッフの皆さんとキャストの皆さんのご協力があり、経験と技術を共有していただいたとても恵まれた現場でした。 スタッフ・キャストの皆さんをはじめ、富山県のロケ地の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。 あらためて、映画には人を動かす力があると学び、それを作品に込め、祝日を創り上げることができました。劇場で観ていただけるのがとても楽しみです! ――伊林侑香 VIDEO
©「祝日」製作委員会
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映画『祝日』 2024年5月10日(金)
TOHO シネマズ ファボーレ富山、TOHO シネマズ高岡、J-MAXTHEATER とやま
5月17日(金)
シネマート新宿、シネマート心斎橋 他全国公開
shukujitsu-movie.com 配給: ラビットハウス