ピアニストの
ブラッド・メルドー(Brad Mehldau)が、2枚のニュー・アルバム『After Bach II』と『Après Fauré』を5月10日(金)に発表します。『After Bach II』は2018年のアルバム『
アフター・バッハ』の続編。『Après Fauré』には
ガブリエル・フォーレの4つの夜想曲と、ピアノ四重奏曲第2番の一部、そしてフォーレにインスパイアされたメルドーの4つの楽曲を収録。『After Bach II』からメルドー作曲の「Between Bach」とフーガ第20番イ短調、『Après Fauré』からメルドー作曲の「Prelude」が公開中です。
『After Bach II』には
バッハの「平均律クラヴィーア曲集」から4つの前奏曲と1つのフーガ、そしてパルティータ第4番のアルマンドに加え、ゴルトベルク変奏曲の主題によるメルドーの変奏曲を含む、バッハの作品にインスパイアされたメルドーの7つの楽曲がちりばめられています。メルドーは、カーネギーホール、英国王立音楽院、ナショナル・コンサートホール、ウィグモア・ホールから委嘱された作品『Three Pieces After Bach』を2015に初演しており、この作品を構成してる3曲うち、『アフター・バッハ』に入らなかった「After Bach: Toccata」が『After Bach II』に収録されます。
バッハについてメルドーは「バッハと関わろうとすればするほど、否応なしに自分の個性が見えてくる。あなたがバッハを弾くのではなく、バッハがあなたを弾く。具体的には、ハーモニーとメロディの折り合いをどのようにつけるかという絶え間ない選択を迫られるのです。バッハがジャズ・ミュージシャンとしての私の手本である理由はここにある。私の即興ソロでは、メロディックに動くハーモニーを作りたい。これはストーリーテリングにおいて重要な要素です」とコメント。
さらに、フォーレについては「もし崇高なものが私たちの死を予感させるとしたら、この音楽は死の厳しさを伝えるものかもしれない。私たちは、作曲家が未来に投げかけた問いかけという形で、最後に作曲家と私たちとの親近感を見出すのです。私は、フォーレの音楽に合わせて4つの曲を作り、フォーレの問いかけと私の関わり方を、聴き手の皆さんと分かち合いたいと思います」と語っています。