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『au デジタルツインライブ #0[Alexandros] @TOKYO NODE HALL』イベントレポート

[Alexandros]   2024/04/02 16:13掲載
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『au デジタルツインライブ #0[Alexandros] @TOKYO NODE HALL』イベントレポート
 3月28日に東京・TOKYO NODE HALLおよびデジタル会場にて同時開催されたスペシャル・ライヴ『au デジタルツインライブ #0[Alexandros] @TOKYO NODE HALL』に[Alexandros]が出演し、白熱の演奏と軽妙なトークでファンを楽しませました。

 このイベントは、KDDI株式会社が森ビル株式会社と合同で開発する「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, au」の運用開始を記念して行われたもの。これはリアル会場でのライヴパフォーマンスをさまざまな形でデータとして収集し、インターネット上のデジタル会場とリアルタイムに接続・リンクさせることで、どちらの会場でも同じ臨場感や空気感を味わえるという技術です。ひとつの興行がリアルとデジタルにまたがりパラレルワールドのような形で同時に繰り広げられることから「TWIN」の名が冠されています。

[イベント・レポート]

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 スペシャルライブは、[Alexandros]による全3曲のライブ演奏とトークセッションの2本立てで進行。開演時刻を迎え、暗転した場内にスリリングなオープニングSEが響き渡ると、ステージ背面の巨大スクリーンがゆっくりと上昇する。一面に張り巡らされた窓ガラスがあらわになり、地上46階に位置するリアル会場は東京の夜景が一望できるロマンチックな空間へと一瞬にして様変わりした。そしてステージに川上洋平(Vo, G)、磯部寛之(B, Cho)、白井眞輝(G)、リアド偉武(Dr)が2名のサポートミュージシャンを引き連れて姿を現すと、会場に集まった約100名のファンクラブ会員は一斉に立ち上がり喝采をもって迎える。すると、位置についたリアドがおもむろにハーフオープンのハイハットを荒々しく打ち鳴らし、白井のストラトキャスターが重厚なコードリフで追従。ハードなラウドチューン「Stimulator」で、ライブの幕は切って落とされた。

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 瀟洒なムードの会場にはミスマッチにも思えるほどのアグレッシブな選曲で聴衆を踊り狂わせた彼らは、息をつかせる間もなくシリアスな四つ打ちナンバー「Girl A」を投下。続くMCでは、川上が「こんなに素敵な場所でライブできるなんて本当に光栄です」と喜びを語りつつも、「こんな場所だから、『たぶん雰囲気のいい曲をやってくれるんでしょう』というふうに思われていたと思うんですけど……すみません、こんなところでやるって知らなくてですね(笑)」と照れ笑いを浮かべる。そして「もう少しだけこの雰囲気に合う曲をやりますかね」との言葉に続いて披露されたのは、メロディアスなポップチューン「todayyyy」。コーラスのかかったテレキャスターのメロウなリードフレーズと磯部の奏でるシンセベースが印象的に響くこの1曲で、バンドは濃密なライブパートをしめやかに締めくくった。

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 続いて行われたトークセッションは、鮎貝鍵による司会で進行。川上が開口一番「この客席との距離の近さと、この会場の雰囲気はレアでしたね。本当にセットリストを間違えたなと(笑)」と漏らして笑いを誘う。「もうちょっと雰囲気のある曲もあるんですよ。『ムーンソング』とか合うよね」と揺れる思いを明かし、磯部も「そうだよね、『rooftop』とかね」と同調した。

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 そしてトークは、“デジタル会場との同時開催”という新たな試みについての話題へ。ここで初めてDIGITAL TWIN HALL会場の模様をモニターで確認した4人は「へー! こんなふうになってたんだ?」「面白いっすね!」と驚きの表情を浮かべる。彼らはこのトークセッションの場で新鮮なリアクションをするべく、あえて事前の打ち合わせやリハーサルなどでは映像を確認しなかったのだそう。デジタル空間でアバターたちがライブを楽しむサイバーな光景を目の当たりにしたリアドは「我々はアナログな、人間味を出すライブを心がけていますけど、それをデジタルで見せるというギャップが面白い」と興味深げに語り、磯部も「配信をただ観てもらうのと違って、これはバーチャルの中で会場に行っているような感覚になれるってことですよね。それは新しい」と感心しきりだ。

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 曲によってステージセットや会場デザインなどを瞬時に入れ替えることができるのも、デジタル空間ならではのアドバンテージだ。白井は「曲をさらに引き立たせてくれる感じがしていいですね」と満足げな表情を浮かべ、川上は「海の中とかもできるんですかね?」と夢を膨らませる。さらに「ライブに行けない人たちのために、もっとガチライブの雰囲気だったり、フェスの会場っぽい感じとかもいいかもしれない」と、逆にリアルさを追求する方向性もアリなのではないかと提言した。

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 また、ファンが扮するアバターにはエモートと呼ばれる感情表現機能が備えられている。拍手、ヘッドバンギング、横揺れなどのアクションを随時行うことができるというものだが、これについて白井は「モッシュとかダイブとかってアクションがあったら面白い」とのアイデアを提示。磯部は「いろんな事情で自宅から出られない人はコロナに限らずいるわけで、そういう人たちがこうやって自分を表現できたり、好きなように歩き回ってライブ会場にいるような空気感を味わえるというのは素晴らしいことだと思いますね」とテクノロジーの恩恵について感慨を述べた。

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 最後にこの日のライブを総括し、川上が「[Alexandros]はコロナ禍でライブもレコーディングもできないとなったときに、たぶん業界で一番早く配信ライブをやったバンドだと思うんですよ」と切り出す。「生だけじゃないライブもすごく大事だなと思ったし、そこにニーズを感じることもできた。生のライブと同時に、こういう新しいこともどんどんやっていけたらなと思います」との決意を改めて表明。そして「我々にとってもいい機会になったと思う。これからもよろしくお願いします」と笑顔で結んだ。

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取材・文・撮影(トークパート): ナカニシキュウ

ホール連動の常設デジタルツイン「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL」 | TOKYO NODE
www.tokyonode.jp/lab/projects/digitaltwinhall/index.html
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