ドイツ・グラモフォン(DG)がピアニストの
辻井伸行と専属契約を結ぶことを発表、4月22日に東京・サントリーホール ブルーローズで記者会見が開催されました。記者会見には辻井と、ドイツ・グラモフォン社長のクレメンス・トラウトマン、ユニバーサル ミュージック合同会社社長兼最高経営責任者の藤倉尚が登壇。会見終盤で辻井は
リスト作曲「愛の夢 第3番 変イ長調」と「ラ・カンパネラ」の2曲を披露しました。移籍第1弾のアルバムは
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106「ハンマークラヴィーア」を含み、2025年初頭に発表される予定です。
記者会見でトラウトマンは「DGに辻井さんを迎え入れることは、私たちにとって非常に大きな栄誉です。昨年、ロンドンで彼の演奏を聴き、その魅力に心を奪われました。彼は実にエキサイティングな音楽家です。その類まれなる音楽的創造性と洞察力は、彼が他とは違う目で世界を見ていることに起因するのかもしれません。彼がピアノから引き出すのは、驚異的なテクニックと深みのある豊かな音色に支えられ、聴く者の心に直接届く音楽です。私たちは辻井さんという素晴らしいアーティストを世界中の聴衆に紹介すると同時に、その国際的キャリアが発展し続けるよう、彼自身、そして彼の音楽事務所と協力して努力してゆく考えです」と発言。
今後DGで録音活動を行ない、新たなプロジェクトを展開していくことを楽しみにしているという辻井は「マルタ・アルゲリッチやマウリツィオ・ポリーニをはじめとする素晴らしいピアニストが数多くの名盤を録音しているので、ドイツ・グラモフォンの録音は、僕も子供の頃からよく聴いています。クラシック音楽をリードしてきた名門レーベルと契約することをたいへん誇りに思います。また、今後、リリースされるCDやストリーミングを通じて、世界中のより多くの人たちに僕の演奏を聴いてもらえることを非常に嬉しく思います」と名門レーベルとの契約の喜びを語りました。
本契約により日本におけるリリースを担うことになるユニバーサル ミュージックの藤倉は「私たちユニバーサル ミュージック ジャパンは近年、ドイツ・グラモフォンと提携しながら、サイトウ・キネン・オーケストラや久石譲などの日本のアーティストをグローバルで展開し、その世界への道は確実に大きなものになってきています。ドイツ・グラモフォン125周年、そして、辻井伸行さんがヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝されて15年という記念すべき年に、ユニバーサル ミュージックグループのファミリーに迎えられ、ご一緒できることを誇りに思います。ドイツ・グラモフォン、そしてユニバーサル ミュージックに来てよかったと思っていただけるよう全力でサポートしていきます」とコメントしました。
これまで辻井が所属していた、エイベックス・クラシックス・インターナショナルで録音されたアルバムは、海外でDGから再リリースされます。また、今回の契約を記念して、2月28日に東京・サントリーホールで収録されたコンサート映像『辻井伸行 プレイズ・バッハ、ショパン&ラフマニノフ』が、DGの配信サービス「STAGE+(ステージプラス)」で5月18日(土)から配信されます。
Photo by Ryota Mori