前作『Sketches』は、Global Music Awardのコンポジション部門にてシルバーメダル / アウトスタンディングアチーブメントを受賞し、同年の年間トップ・アルバムの一つに選出。またジャズ界のレジェンド、ロン・カーターからも“The trio really knew the music and played it well, and the concept of each song was clear.”(「このトリオは音楽に対する深い理解を持ち、見事に演奏している。各曲のコンセプトも明快だ。」)と賛辞が送られるなど、高い評価を得ました。
それから3年を経た本作は、前作と同じメンバー、又賀純一郎(p / Composer / Arranger)、山田吉輝(b / Composer)、永山洋輔(ds / Composer)という布陣。前作と対をなす一作で、アルバム構成は前作収録曲と同じく全10曲中8曲をコンテンポラリーからストレートアヘッドまで書き分けたオリジナル曲、加えて、カヴァー曲としてジャズスタンダードバラードの名曲「Body and Soul」、ゴスペル・ソングの「You Are the Living Word」をオリジナル・アレンジで収録しています。
オリジナルは、風景の抽象画をイメージして描かれた「View from the Boundary Line」を筆頭に、独特なハーモニーを用いて作られたジャズ・ワルツ・ナンバー「Reflection」、ボサノヴァのリズムによる「Clockwork」、軽快なメロディのジャズ・ブルース「Zig-Zag」、様々なハーモニーテクニックを用いて作られた「Escher’s Staircase」、ストレートなジャズ・バラード「Slowly and Broadly」、様々な音程差を活用したフリー・ナンバー「What do you mean by that?」、春の爽やかさを表現した「Spring Waltz」など、色取り取りです。
本作は、2024年1月にニューヨーク・ブルックリンにあるAcoustic Recordingにて録音。レコーディングは本作もグラミー賞ラテン部門を受賞したアルトゥーロ・オファリル&ラテン・ジャズ・オーケストラでエンジニアを務めるピーター・カールが努め、ミキシング、マスタリングは、ゴンサロ・ルバルカバのアルバムでグラミー賞を受賞し、ピアニストの小曽根真のエンジニアも担当するAkihiro Nishimuraが担当。また、キー・ヴィジュアルも前作に引き続き、ニューヨークで「水」をテーマに長年活動するアーティストのマーガレット・コグスウェルが制作した作品集から前作と同テーマである“Views From A Puddle (2019)”から起用されています。
[収録曲] 01. View from the Boundary Line 02. Reflection 03. Clockwork 04. Body and Soul (Johnny Green) 05. Zig-Zag 06. Escher's Staircase 07. Slowly and Broadly 08. What do you mean by that? 09. Spring Waltz 10. You Are The Living Word (Fred Hammond)