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バー・イタリア、WWW Xでの初来日公演レポート公開

バー・イタリア   2024/05/31 13:12掲載
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バー・イタリア、WWW Xでの初来日公演レポート公開
 英ロンドンを拠点とする3ピース・ロック・バンド、バー・イタリア(bar italia)の一夜限りの公演が東京・渋谷 WWW Xにて5月29日(水)に開催。昨年、マタドールと契約をしてから立て続けにリリースした『Tracey Denim』『The Twits』の2枚のアルバムが高評価を受け、ここ日本のインディ・ファンの間でも注目を浴びている彼らのパフォーマンスに会場は圧倒され、魅了された一夜となりました。

 また、当日、即完売となった限定Tシャツの受注生産もスタートしています(オンライン受注締切は6月9日[日]まで)。詳細は、Beatinkのホームぺ時をご確認ください。

[オフィシャル・レポート]
 昨年、〈Matador Records〉と契約をしてから立て続けにリリースした2枚のアルバムが高評価を受け、ここ日本のインディ・ファンの間でも話題となっていたbar italiaの一夜限りの東京公演がWWW Xで開催された。バンドが注目され始めた当初は、ファンですらメンバーの名前も知らないという謎に包まれた存在で、昨年からメディアの露出も増えてきたとはいえ、依然としてミステリアスな存在である彼ら。そんな謎めいた存在というものも興味をそそられる一因だったのかもしれない。彼らの貴重なパフォーマンスを見ようとソールドアウトした会場は満員となっていた。

 人々が静かに待つ中、けたたましいダンスミュージック、2005年にヒットしたCrazy Fogの「Axel F」とともに、メンバーがステージへ現れる。あまりの彼らのイメージと違う選曲にびっくりしてしまった。すらっとしたボーカルのニーナ・クリスタンテは髪をまとめ、背中が大きくあいた黒のトップスを着ており、両サイドにギターを持って立つジェズミ・タリック・フェフミとサム・フェントンもネクタイを締め、3人ともシックなスタイルで決めていた。そして、サポートメンバーのベースとドラマーを加え、5ピースバンド編成だ。

 「calm down with me」から始まった彼らのパフォーマンスはドラマチックで美しかった。叙情的なギターサウンドに合わせてニーナがタンバリンを叩きながら歌い上げる。ジェズミとサムにボーカルが代わるとニーナは揺れたり、回りながら踊る。彼女のその振る舞いはバレリーナのようでもあり、夜に舞う蝶のようでもあり、品がありながら色っぽい。そしてキャッチーな「my little tony」と曲が変わり、会場は沸き上がっていく。彼らの音楽やMVからバーで気だるそうに煙草を片手にしてウィスキーを飲む姿を想像していたが、楽器を手にした彼らの表現はエモーショナルだ。しかし世界観を壊したくないのか、シャイなのか、曲の合間はほとんど言葉を発することはなく、途中ファンからニーナへ言葉を投げられても照れくさそうに笑うだけ。序盤で勢いをつけた後の「twist」からダークでロマンチックなムードへと。続く「Jelsy」でそのムードは一層と高まり、bar italiaは静かに燃えているようだ。彼ら自身も自分たちの情緒ある世界観に浸っているように見えた。軽快なリズムから始まる「Banks」で盛り上がりを戻し、「Nurse!」で轟音のギターサウンドとともに感情の爆発。その勢いは「Punkt」でクライマックスとなり、観客も大歓声を上げる。軽やかに踊るニーナは今にも飛び立っていきそうな勢いだ。最後は爽やかなポップ・ソング「Worlds greatest」で締めくくり、一旦ステージから退場。

 アンコールを受け、再度登場し始まった「Changer」はエンディングへと向かうのにふさわしい、しっとりとした雰囲気の曲で、ニーナは片手を大きく振って観客を煽っていく。そして、最後にバンドを代表する「skylinny」のキャッチーなメロディで会場を沸かせる。曲の途中で静寂が訪れるかのように音が小さくなり、終わりかと思わせたところ、突如として爆発的なエネルギーを放ち、パフォーマンスを締めくくった。退場ソングはまたも意外な選曲、blurの「song 2」で、終わってからも会場は盛り上りが収まらなかった。

 漆黒の感情を湛えた、アンニュイな色香をまといつつも激情が爆発する、bar italiaの圧倒的なパフォーマンスに魅了された一夜となった。


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text by 栗原葵

バー・イタリア限定Tシャツの受注生産
beatink.com/products/detail.php?product_id=14148
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