ECMレコードは「Edition of Contemporary Music」の略で、1969年にマンフレート・アイヒャーがドイツのミュンヘンに創立したレコード・レーベル。アイヒャーはクラシック音楽とジャズの演奏家として活動した後、20代半ばでECMを立ち上げました。創立時のコンセプトは“静寂の次に美しい音楽”。他のレーベルとは一線を画し、その透明感のあるサウンド、澄んだ音質、洗練された美しいジャケット・デザインなどが世界の多くの音楽ファン、アート・ファンを魅了しており、キース・ジャレット『ザ・ケルン・コンサート』(75年)、チック・コリア『リターン・トゥ・フォーエヴァー』(72年)、パット・メセニー『ブライト・サイズ・ライフ』(76年)といったジャズの名盤を発表しているだけでなく、アンビエント・ミュージック、ワールド・ミュージック、トラッドなど幅広い音楽に貢献してきました。さらに、84年には現代音楽に焦点を当てたレーベル「ECM New Series」を創設。アルヴォ・ペルト、ギドン・クレーメル、ハインツ・ホリガーらが新作を発表するなどジャンルを広げ、クラシック界にも進出しました。